【ヒロアカ】無個性・魔獣持ち part4 (ページ2)

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１４４話　緑谷side ページ2

緑谷side

あの事件のあと、僕らにはいろいろなことがあった。

一つ目にオールマイトの引退。本当の姿を晒し、自分にはヒーロー活動が限界だと言うこと、雄英高校でのヒーロー育成に精を出すと言うことを表明した。

二つ目に街の声。あれだけの被害を受けた街は事件前日と変わらない機能を取り戻し、何事も無かったように暮らしている。

三つ目は僕らの生活。夏休みが終わった後に全寮制になるらしい。今日、相澤先生とオールマイトが来て、その概ねを伝えてくれた。

緑「先生、魔神さんは…」

相「…見つかっていない。魔神もシェイミも、アルセウス達も」

オ「しかも国民は彼女を覚えてない。体育祭の映像は彼女の映る場面だけ顔が映らないのだよ」

僕は母さんが録画してくれていた体育祭の映像を流した。確か轟くんやかっちゃんとのバトルで映っていた筈だから。

緑「嘘でしょ…」

顔が映っていたシーンは首から上が見切れている映像に。出ていた声は歓声に。ポケモンたちは姿すら無かった。

オ「全試合以外にも予選や監視カメラ、全て確認したがこの通りだ。記憶すらもぼやけさせるのかもしれない」

相「今の所完全に魔神のことを覚えているのは雄英高校生と職についてるヒーロー。雄英高校と関わりがあるヒーローぐらいだな」

緑「そ、それだけ、ですか…？」

愕然とした。魔神さんは雄英のヒーロー科でも知名度はあった。体育祭でもあんなに注目されていたのに。

そこで一つの考えが思い浮かぶ。否定したくても可能性は有り得る考えが。

緑「アルセウスが、連れて帰った…？」

相「その可能性は少なからずある」

オ「でも彼はこうも言った【日時を伝える】と。近いうちにまた来るのかもしれない。それだけは覚えておいて欲しい」

そう言うと先生たちは車に乗って次の人の家へと向かった。かっちゃんの家の方角に行ったけど…。まさかね。

緑「母さん、魔神さんのこと覚えてる？」

緑母「魔神さん？クラスメイトの子でいたかしら…」

緑「ほら、少し前にこの家に呼んだ女の子だよ」

緑母「えっと…。あっ、鍋が！出久、ちょっと待って！」

本当に忘れたのか、たまたまはぐらかされたのか分からない。

でもその後何回か聞いてもタイミングが悪すぎて聞くことは出来なかった。

クラスの皆なら覚えてるって聞いたけど気になって轟くんに電話してみた。

轟「忘れる訳ねェだろ」

緑「そうだよね…！」

僕らは絶対に忘れない！帰って来てほしい、素直な願いだ。