閑話.共に居た記憶 ページ22
あの場所で彼奴と会ったのは、本当に偶然だった。
陽光から逃げるように転がり込んだ廃屋の中、Aはそこにいた。
廃屋と言えど女一人しかいないその場に留まるのもどうかと思い、すぐに出ていこうとした俺を、彼奴は引き留めた。
猗「そういう訳にもいかないだろ。もう少し娘としての自覚を持ったらどうなんだ?
そうでなければ俺が若い娘に頼るような男だと思ったか?借りをつくるような真似をするとでも?」
「馬鹿かお主。私は鬼だぞ?もしお主が気をやって私を襲うような真似をすれば返り討ちにしてくれるわ。それに今外に行けば焼け死んで終わりだ。
だが、そうだな…ふむ。お主がここに留まる理由、もしくは私に返す借りが必要と言うのであれば…」
拠点の貸し出しの対価として彼奴が示してきたのは、家の中に溜め込んでいた人間の死体の処理だった。
「私は少食でな、一人喰い終わる頃には新たに五人の死体が増えている。丁度処理に困っていたから助かった」
そう言って、彼奴は笑っていた。
だが彼奴が引き摺り出してきた死体は全て、死んでから間もないものばかり。それが何日も何日も続いていた。
明らかに、わざわざ、毎日。何処かから狩って持ってきている。
それに気が付いても、俺は言い出す気にはならなかった。
「おかえり、猗窩座殿。」
日が上る頃に廃屋にやって来た俺を迎える彼奴を見るのは正直心地がよく、気が付けばそこに"帰る"ことが当たり前になってきていた。
『おかえりなさい、___さん』
当たり前に、なっていた。
時折、柱相手に共闘をしてみたり、あるときは廃屋にあった着物を纏って、二人で気紛れに町へ行ってみたり。
それなりに、充実した日々を送っていた。
95人がお気に入り
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
煨(ウズミビ)(プロフ) - つるかめさん» 実は仲間です……((( 頑張って下さい!! (2020年11月1日 0時) (レス) id: eaf0a1c543 (このIDを非表示/違反報告)
つるかめ(プロフ) - �(ウズミビ)さん» わかりますさては仲間ですね…(????)((( できるだけ本家の設定を崩さず書くようにしますね…! (2020年10月31日 20時) (レス) id: 21a20e72bc (このIDを非表示/違反報告)
煨(ウズミビ)(プロフ) - つるかめさん» 本家の設定に沿って違和感のないように描写するの私も苦手で、、ほんとよく分かります、、 (2020年10月31日 0時) (レス) id: eaf0a1c543 (このIDを非表示/違反報告)
つるかめ(プロフ) - �(ウズミビ)さん» そう言っていただけて本当にうれしいです…!ですよね…最悪血鬼術とか身体能力を言い訳に無理矢理繋げることになっちゃいそうですが…;;; 私が書ける限りの最高のものにすできるよう頑張ります! (2020年10月30日 18時) (レス) id: 21a20e72bc (このIDを非表示/違反報告)
煨(ウズミビ)(プロフ) - つるかめさん» 本当に面白くて……つい一気読みしてしまいました、!戦闘場面の描写は難しいですし、時間もかかりますもんね……楽しみにしてます!! (2020年10月30日 17時) (レス) id: eaf0a1c543 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:つるかめ x他2人 | 作成日時:2020年8月12日 1時