検索窓
今日:4 hit、昨日:12 hit、合計:28,126 hit

共に 3 ページ3

鬼狩りが来て…姉上が、死んだ…あぁ、俺のせいだ…俺がもっとはやく行っていれば良かった…助けられなかった………

その言葉は間違った形に解釈されたが、寧ろ都合が良かったのだと思う。でも、それを考える気力すら湧いてこなかった。

姉上が死んだという喪失感、虚しさは容赦なく俺にのしかかってきた。
小さい頃から側で俺を見守ってきてくれた、俺を助けて、支えていてくれた姉上。確かに信者たちも俺を支えてくれてはいるが、神の子などと言わず、俺と対等に接してくれたのは姉上だけだった。


家族を、好いた人を喪うことがこんなにも辛いだなんて知らなかった。
こんなことなら、感情なんて要らなかった。
もう、何もかも嫌になる。





黒「童磨………」

離れの縁側から月を見ていると、いつの間に来たのか、黒死牟殿が立っていた。六つの目全てに俺を映しながら、じっと俺を見下ろしている。

黒「何時まで……そうしているつもりだ……彼奴が死んで…葬儀も行っていないではないか……
身内………純粋に仲の良かった兄弟姉妹………大切な者ほど…しっかりと供養すべきだ………」

ゆっくりとした声は、俺を励まそうと次々に並べ立てられた信者の言葉より、淡々と話す無惨様の声より、他の鬼の話よりも耳に入りやすい。
姉上もそういう話し方だったからだろうか?彼女も饒舌な方ではなかったし、言葉もゆったりとしていた。


童「…悪いけど黒死牟殿、俺はそんな余裕なんてないんだ。正直…姉上の死の実感もない。その内ひょっこり戻って来るって、そう信じてる節もある。
どうしても、信じたくないんだ。姉上が死んだって……」


それを聞いた黒死牟殿は、俺の横に屈む。
「童磨」と名を呼び、次の瞬間。
頬に鈍い痛みが走った。おどろいて横を見ると、黒死牟殿が何やら紙を取り出している。

丁寧に紙を広げると、一瞬にして彼は身体を縮めた、いや…姉上に擬態していた。

共に 4→←共に 2



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 9.9/10 (38 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
95人がお気に入り
設定タグ:鬼滅の刃 , 童磨
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

煨(ウズミビ)(プロフ) - つるかめさん» 実は仲間です……((( 頑張って下さい!! (2020年11月1日 0時) (レス) id: eaf0a1c543 (このIDを非表示/違反報告)
つるかめ(プロフ) - �(ウズミビ)さん» わかりますさては仲間ですね…(????)((( できるだけ本家の設定を崩さず書くようにしますね…! (2020年10月31日 20時) (レス) id: 21a20e72bc (このIDを非表示/違反報告)
煨(ウズミビ)(プロフ) - つるかめさん» 本家の設定に沿って違和感のないように描写するの私も苦手で、、ほんとよく分かります、、 (2020年10月31日 0時) (レス) id: eaf0a1c543 (このIDを非表示/違反報告)
つるかめ(プロフ) - �(ウズミビ)さん» そう言っていただけて本当にうれしいです…!ですよね…最悪血鬼術とか身体能力を言い訳に無理矢理繋げることになっちゃいそうですが…;;; 私が書ける限りの最高のものにすできるよう頑張ります! (2020年10月30日 18時) (レス) id: 21a20e72bc (このIDを非表示/違反報告)
煨(ウズミビ)(プロフ) - つるかめさん» 本当に面白くて……つい一気読みしてしまいました、!戦闘場面の描写は難しいですし、時間もかかりますもんね……楽しみにしてます!! (2020年10月30日 17時) (レス) id: eaf0a1c543 (このIDを非表示/違反報告)

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:つるかめ x他2人 | 作成日時:2020年8月12日 1時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。