都市伝説とワケアリの君に振り回されて【オリジナル】

第004話「転校生の隣の席」 ページ5

〜逢八side〜



「イラスト部はどう？御勧めするよ！」

「そういえば桜、わたしが帰宅部だって知った時も勧誘してたわよね」

(そうなんだ)


大林さんに指摘され、桜は照れ笑いした。
が、諦めず部活勧誘を続ける。


「じゃあ明日、イラスト入れたファイル持ってくる！逢八ちゃんに観て貰いたいの」


____________



二人と別れた後、私は自席でワクワクしていた。


(やっと新しい友達が出来た！)


その事がただただ嬉しい。

けれど同時に気になった。
なんで昨夜のあの人が、今日になれば友達が出来ると当てられたのか。


(何者なんだろう一体……)

「おはよう」


色々思いを巡らせていると男子が一人、左隣の席に通学鞄(スクールバッグ)を降ろす。
そういえば昨日、放心状態で隣の席が誰がなのか見ていなかった……。

どうやらこの男子は隣の席の人らしい。


「おはよう。……あの、名前訊いてもいい？」

桜達の御蔭ですっかり緊張が解けた私は、思い切って質問をする。


「誰かに名前を訊く時は自分から名乗る物なんだよ」

「私は湯高逢八」

「知ってるから一々言わなくていい」

(どっち！)


私はムッとして男子を睨んだ。
通学鞄(スクールバッグ)から教材を取り出しながら、男子はクスクスと笑う。


「俺は矢上(やがみ)叶透(かなと)。よろしく」

「よろしく」


矢上さんはニコッと笑顔を見せて、席に着いた。
矢上さんの笑顔ってなんだか……。


「叶透君って呼ぶね」

「好きにすれば」


興味なさげに言い捨てる叶透君。
そんな叶透君を眺めていると、HRの始まりを告げる鐘(チャイム)が鳴り響いた。



____________



逢八シオン!私友達出来たよ!
シオンへぇー、誰?
逢八桜と大林さんと叶透君
シオン叶透って、なんか水酸化ナトリウムみたいな名前だね



〜〜〜〜〜〜

・叶透君の好き嫌い、別れるだろうな

今更なんですけど、夢主の名前無変更の場合(ケース)は『湯高(ゆたか)逢八(あや)』になります。
由来はお気付きかも知れませんが、作者の名前(彩豊(あやと))を逆さにして、漢字を当てただけです(雑)。

シオンの初期名は吉澤(よしざわ)果音(かのん)、桜は篠宮(しのみや)愛理(あいり)、大林さんは小林(こばやし)鈴菜(すずな)、叶透君は鈴木(すずき)透(とおる)でした。

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