第002話「不審者達の集う夜」 ページ3
〜逢八side〜
外に出れば夜空に綺麗な満月が浮かんでいた。
近くの公園の
(……友達が居たら、今みたいな時も隣で笑ってくれるのかな)
そういえば、最後に汐音と会ったのはいつだっけ?
____________
帰り道。
少しだけリフレッシュ出来たかも知れない。
転校初日から上手くいくなんて早々ないし、友達だって急がなくても作れる。
そんな事、頭では分かってるけど……。
(やっぱり私、今すぐ___)
「友達が欲しい」
無意識に声が出る。
強い風が通り過ぎたかと思えば、目の前にいつの間にか居た。
青い隈取りの狐の御面を被った、いかにも怪しそうな人物が。
(……誰?)
コスプレイヤー?
それともまさか不審者?
いや、もしかしたら東京ではコレが普通なのかも知れない。
なんて考えは、すぐに掻き消された。
「『友達が欲しい』?その希い、叶えてやる」
(希いを…叶える……?)
惹きつけられる様な不思議な声は、まるで私の心を見透かしてる様だ。
でも、そんな都合のいい話ある筈ない。
それにこんな怪しさ満点なヒトを信じるなんて……。
(だからって、友達が出来ないままは嫌だ!)
信じてみたいと思った。
「友達が欲しいんだろ?」
差し伸ばされた手を受け取ろうとする。
その瞬間の事だった。
パチンッと乾いた音が響いて、世界がスローモーションに見えた。
「…………!?」
突然現れた誰か、の手が私の手を弾いたのだ。
「君……ソイツに触るな」
街灯の逆光で、その人の顔はよく視えない。
唯一分かったのは竹刀袋を背負っている事。
「……チッ」
小さい舌打ちを残し、狐の御面のヒトは姿を消した。
それを確認したその人は私の方を向く。
「大丈夫?」
「あっ、はい」
大丈夫と言いたいが、その前に状況が分からないので説明が欲しい。
あの狐の御面のヒトは何者?
貴方は誰?
困惑していると、相手は口を開いた。
「今の事は、誰にも言わない様にね」
(まぁ、言っても信じて貰えないだろうし……)
念を押す様な口調に、相槌を打つ。
「それと君。アイツなんかに希わなくたって、明日になれば友達が出来るよ」
「え?」
それはさっきとは違う、優しい口調だった。
(なんで言い切れるんだろう根拠もないのに……って、あれ?)
考え込んでいる間にその人は去っていた様だ。
〜〜〜〜〜〜
・不審者
青色の隈取りのお面は、冷酷さや不気味さなどの意味が有ります。
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彩豊(プロフ) - ルカさん» こんにちは、ありがとうございます!そんなに褒められるとは思ってなくって、今少しニヤけてます(笑)次は銀メダルを狙いますね!_(:3 」∠)_ (8月8日 21時) (レス) id: 14ae47b86b (このIDを非表示/違反報告)
ルカ - 銅メダルおめでとうございます!すげー!マジ尊敬! (8月4日 15時) (レス) @page40 id: ce51c31450 (このIDを非表示/違反報告)
彩豊(プロフ) - さにちゃん??さん» ……恥ずかしい(*´-`)←(自慢してた人) (8月3日 14時) (レス) id: 14ae47b86b (このIDを非表示/違反報告)
さにちゃん??(プロフ) - 銅メダルおめでとうーーー! (8月3日 10時) (レス) @page36 id: 0334c9fa09 (このIDを非表示/違反報告)
彩豊(プロフ) - レミエル・カイザーさん» こんにちは〜!コメント誠にありがとうございます!個人的にはピアノやオルゴールの方が寝れるんですけどねw同じく怖い系好きです!先日も全国で3番目に怖いと言われるお化け屋敷に行きました!引き続きよろしくお願いしますm(_ _)m (5月15日 12時) (レス) id: 057e7198a3 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:彩豊 | 作者ホームページ:http://commu.nosv.org/p/1221000214
作成日時:2023年4月1日 18時