第000話「遥か彼方の記憶」 ページ1
〜???side〜
そう、それは一昔前の出来事。
ある所に、クラスメイトから苛めを受ける少年が居た。
胸ぐらを掴まれたかと思えば、殺すぞと脅され、サンドバッグの様な扱いをされるとか。
今日も今日とて、彼はズタボロの状態で下校してた。
まだ太陽の沈みきっていない夕方でも、存在感を放つ明るい満月とは反対に、彼はげっそりと窶れた顔で、その足取りは重そう。
「……死にたくない」
ぽつりと漏れた言葉は、風に消えてく。
その筈だったけれど。
「いいよ」
(へ?)
どうやら彼の声を聴きとったらしい。
まるで惹きつけられる様な不思議な声。
高さからして少女のものみたいだ。
「叶えて上げるよ、その希い」
ドキリとして彼が振り向けば、いかにも怪しそうな人物。
赤い隈取りの狐の御面を被ってた。
(誰?)
普段ならこんな怪しさ満点な奴なんかとは関わりもしないだろう。
でも、その時の彼には他に頼れる者もなかった。
「死にたくないんでしょ?」
スッと差し伸べられた手を、彼は縋り付く様に取る。
すると、握った手から言葉で言い表せない様な何かが、まるで侵食する様に少年の身体を巡る。
その日からだ。
彼がー日をループする様になったのは。
つまり、例え死んだとしても、元に戻る。
次第に動きを視覚化出来る様になった彼は、相手を撃退する事に成功したのだった。
暫く経ち、完全回復した彼は再びあの人物に逢おうとやって来た。
「ねぇ、もし居るなら元に戻してくれない?」
すると彼に答えるかの様に現れ、あの時と変わらない頼もしい声が返ってくる。
「勿論!」
____________
今では勉強も運動も出来るイケメンとして、女子たちにモテている彼だが、どうも本人はあの人物が気になってしょうがないのだ。
あの声が頭の中を木霊する度、心臓がドキドキと高鳴ってしまう。
それは、彼を動かすに十分な理由だった。
「あのさ、ずっと言いたかったんだけど、実は貴方の事が……」
深呼吸を一つ、彼は意を決して想いを告げる。
「好きです、付き合って下さい!」
「へっ……!?」
強い風が吹き、カランと響く音。
「う、うん。いいよ……?」
彼が見たのは、足元に転がる狐の御面。
そして、可愛い顔をほんのり赤く染めた少女だった。
〜〜〜〜〜〜
・誰の記憶だよコレ
赤色の隈取りの御面は、正義感や強さなどの意味が有るらしいです。
因みに、この少女は作中で一番可愛い設定になっています(雑)。
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彩豊(プロフ) - ルカさん» こんにちは、ありがとうございます!そんなに褒められるとは思ってなくって、今少しニヤけてます(笑)次は銀メダルを狙いますね!_(:3 」∠)_ (8月8日 21時) (レス) id: 14ae47b86b (このIDを非表示/違反報告)
ルカ - 銅メダルおめでとうございます!すげー!マジ尊敬! (8月4日 15時) (レス) @page40 id: ce51c31450 (このIDを非表示/違反報告)
彩豊(プロフ) - さにちゃん??さん» ……恥ずかしい(*´-`)←(自慢してた人) (8月3日 14時) (レス) id: 14ae47b86b (このIDを非表示/違反報告)
さにちゃん??(プロフ) - 銅メダルおめでとうーーー! (8月3日 10時) (レス) @page36 id: 0334c9fa09 (このIDを非表示/違反報告)
彩豊(プロフ) - レミエル・カイザーさん» こんにちは〜!コメント誠にありがとうございます!個人的にはピアノやオルゴールの方が寝れるんですけどねw同じく怖い系好きです!先日も全国で3番目に怖いと言われるお化け屋敷に行きました!引き続きよろしくお願いしますm(_ _)m (5月15日 12時) (レス) id: 057e7198a3 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:彩豊 | 作者ホームページ:http://commu.nosv.org/p/1221000214
作成日時:2023年4月1日 18時