【twst夢】拗らせまくり、はや三年。【イデア・シュラウド】 (ページ10)

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とあるなんでもない日の夜。

ピピピッピピピッ

インターホンの音がなる。

『げっ』

さてはイデア先輩のおこしだな。

もう、私明日仕事なんですけど。

私達は、よくお互いの家を電撃訪問する。

連絡も無しなんて、良くある事だ。

『今出ます〜』

鍵を開けてドアを開ける。

しかしそこにいたのは、全く知らない全身タイツの男性だった。

ぬっと近づいてくる顔が、失礼だが醜悪極まりない。

「こんばんはぁ…」

不快で粘着質な声が玄関にこだまする。

『は…？』

しまった。

そう思ったのも束の間、家に押し入られる。

咄嗟のことで、声も出ずなされるがままに侵入者に抱擁を許してしまう。

手首を掴まれ耳元で囁かれた。

「彼氏だと勘違いしちゃったのかな？不用心だねぇ」

押しのけようと踠くが、全身タイツを纏った人物は想像以上に力が強い。

必死の抵抗も虚しく、タイツ男は舌先で私の首筋をなぞる。

背筋がゾクリとし、全身にいやらしい感覚が流れた。

『っきもい…！離して、出てって下さい！』

通報しようにも携帯をリビングに置いてきてしまった。

助けを呼ばないと…だれか…

生暖かい吐息が首筋にかかり、ぞわりと鳥肌が立つ。

『やめてっ！』

すると。

そこへ聞き慣れた声が聞こえた。

「え、これどういう状況？」

そういいつつ声の主は魔法を放つ。

次の瞬間、全身タイツ野郎は悲鳴をあげ気絶した。

一気に緊張が解け、その場にへたりこんだ私にイデア先輩はため息を吐いた。

「まじでA氏警戒心なさすぎか？僕がたまたま来てたから良かったけどさぁ、」

『…助かりました』

「僕がいなかったら今頃大変なことになってましたよ？…ってなに涙目になっちゃって」

放心しきって、怖くて、彼の顔すらまともに見られない。

鍵とチェーンをしっかりかける事、と言い残して先輩は不審者を警察に送り届けた。

『首が汚れた』

まだ震えている手で舐められた首を洗う。

あんなことは前の世界でもこっちの世界でも初めてだった。

イデア先輩が帰ってきてたらちゃんとお礼を言わないと。