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pm8:30、退勤ラッシュに揉まれる。
車窓を眺めながら、先日もらったアドバイスを反芻する。
当たって砕けろ。(意訳)
もう承知されているかもしてれないが、正直自分は当たって砕けろタイプの女ではない。
うじうじ考えるくせに行動に移すのが苦手、面倒臭いタイプの女なのである。
特に恋愛においてそれが顕著に現れる。
イデア先輩とのメッセージ欄。
『好きです』
入力しては消し、入力しては消し。
この期に及んで好きですとか、キモすぎ。
我ながらドン引き致します。
『はぁ〜〜〜、』
その時、私のサイレントクソデカため息に重なって携帯の通知音が鳴った。
ピコン♪
しまった、イデア先輩からだ。
瞬で既読をつけるやばい奴みたいになっちゃったよ。
「A氏!これみてくだされ!!」
urlが添付されていたから開いてみると、先輩の推しアニメのコラボ情報だった。
大きなテーマパークとコラボしたらしく、今までにないほどの豪華コラボだ。
追加で通知がくる。
「既読はや杉」
『たまたまです』
恥ずかしいよう。
「この場所はリア充笑の巣窟で有名な場所だけどヲタクとしては行かない選択肢がない」
『よっヲタ魂』
オタクは公式の犬だからこそどこまででも行けるのさ。
「でも拙者一人は寂しいな〜〜」
「そこで君に提案なんすけど」
「これ同伴してクレメンス」
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作者名:Matyu | 作成日時:2023年9月19日 21時