06 ページ6
家に着くや否や崩れ落ちる様にベッドへダイブ。
気が済むまでごろごろして、マジカメでもチェックしようとも考えたが貴重な休日をネットサーフィンで締めるのもどうかと思い、
『映画でもみようか』
と一人呟き立ち上がった。
するとそれを引き留めるかの様にスマホが鳴いた。
『電話…？』
イデア先輩からだ。
出るべきか否か。
とても迷う。
正直今でも気まずいし恥ずかしいけど出ない理由もないし…
そう思い応答ボタンに触れる。
『もしもし』
「A氏？今暇？」
「ひ、暇ですが！？」
私ってばなんでそんなに緊張してるの？
所詮いつもの通話なのに。
「今朝のことだけどさ、なんか怒ってたよね。拙者なにかしてたらその…サーセン」
『いやいや全然大丈夫大丈夫！なんなら悪いの自分ですし…』
「kwsk」
『え、えぇ〜？ほんとになんでもないですよ〜…』
「kwsk」
『えぇ〜〜？なんで引き止めたのかな〜とか、いやなんでも無いんか〜いみたいな？』
改めて言語化の難しい感情だな。
『ね、ねえ先輩？自分から聞いておいて無言は無しでしょ』
「…ふっ」
『は？』
「つまりA氏は拙者に呼びとめられて嬉しかったってわけですか」
『違います』
恥ずかしいこと言うな。
『断じて違います』
「食い気味に否定してて大草原www」
これは絶対液晶の向こうでにやにやしている声色だ。
『そういう先輩こそ私が帰っちゃって寂しかったんでしょ〜！』
「は…？全然そんなことないですしお寿司A氏が帰ってむしろ部屋が広いなー的な？ノーダメですが？」
『早口になってますよー』
「うるっさ、はいもうこの話やめよ、ゲームしよ」
いつの間にか気まずさは何処かへ行っていた。
はいはーいと応答し、私はオンラインゲームの準備を始めた。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 20人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：Matyu | 作成日時：2023年9月19日 21時
