エピソード97 ページ27
私は悠々とした笑顔を浮かべてレオナさんを見つめたまま、どんどん近づいてゆく。
「マレウス・ドラコニアさんという名が高い人を倒そうとした罪より、"一介の少し特殊な寮生を倒そうとした罪の方がよっぽど軽い"でしょうねぇ?」
レオナさんは目線を反らさず、押し黙って聞いている。ラギーさんは苦悶の表情を浮かべながら、頭を横に振っている。
ラ「……A……やめ……」
レオナさんの腕が緩んだとは云え、まだ彼の腕のヒビは侵食している。早くこっちのペースに持っていかなければ…!
「さぁ、どうですか?早くしないと、血眼になった先生方がサバナクロー寮に押し掛けてきますわ」
そう言った私は唇の端を吊り上げた。なるべく饒舌に話し、歩みを止めない。
その時、私とラギーさんの顔を交互に見ていたレオナさんが、ついにその手を離す。向こうへと突き放されたラギーさんは勢い良く飛んでいき、ユウさん達の元に尻餅をついて着地した。
ラ「カハッ…!」
レ「…良いじゃねぇか」
グ「うわっ!?ラギーがこっちに飛んで来た!」
デュ「レオナから手が離れたんだ!早くこっちへ!」
ラ「ケホッ…ケホッ…!」
リ「彼を砂嵐からなるべく遠ざけろ!それからあの子を止めさせる!」
エ「でもあれってアイツの作戦なんだろ!?止められるのかよ…」
ユ「それで死んだらどーすんのよバカエース!」
「掴むべきは首。好機は一度きり。早くしないと、先生方が来ます。それとも先輩方もの友達も何か攻撃をしてくるのが早いでしょうか」
とうとうレオナさんの前に止まった私は、人差し指で首を指す。レオナさんは威圧感を感じさせる黙りで答えないが、ユニーク魔法を発動させた手が少し上がっている。
確実に私を仕留める為だ。
そして、私は彼を歓迎するように腕を挙げた。
「ここです。この距離なら大丈夫」
私は自然と、満面の笑みを浮かべる。
「人質にしてもしなくても、貴方は捕まる。なら、「替え玉作戦」を考えた者くらい葬ってみせなさい」
レオナさんの腕が私の首もとへと一直線に近づいてくる。
ユ&グ「Aちゃん!!/子分〜〜!!」
「…お願い。何如か私を、悪夢から覚めさせて。
ひとりぼっちは、もう嫌よ」
ジャ「__もうやめねぇか!!
[
私の首にレオナさんの手がかけられる寸前。隙が出来た私がリドルさんを呼び掛ける寸前。
何処かで、狼の遠吠えが聞こえた。
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布教する猫(プロフ) - コメントありがとうございます!いやぁめっちゃ嬉しいです!私も書いててニヤニヤしてしまうんですよ… (8月3日 12時) (レス) id: 0899319726 (このIDを非表示/違反報告)
アイカ(プロフ) - どうも初見です!このクロスオーバー好きすぎる!勢いで6まで読んでしまった‥推しがオクタなので出てきた時のニヤケが‥ (8月3日 12時) (レス) id: 4bbc6a8f1f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:布教する猫 | 作者ホームページ:nhatev-hdfs yue1
作成日時:2022年9月24日 2時