ちょっと強くてちょっとヤバい異能力者は、魔法学校で様々な事をするようです (ページ40)

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エピソード12 ページ40

ヴィル先輩は私の腕を掴むと、どこかへと引っ張っていく。

この人力強っよ！？

ユ「ちょ、ちょちょちょちょっとストップ！」

私は驚きのあまりその場で足を踏ん張って急ブレーキをかける。ヴィル先輩は勢いでカクンとちょっと前に出てから後ろに引き戻り、眉を潜めて振り返った。

ヴィ「何よ。この私の誘いを断る気？」

ユ「い、いやその……
タ、タキシードとかどうでしょうか？その方が私に似合っていますよハハハ……」

私は愛想笑いをしながら目線を反らし、近くにいるAちゃんに助けを求める。
しかぁぁし！！……彼女は既に目を輝かせていた。

「ユウさんのドレス姿……見てみたいですわ……！」

そ、そんな子犬みたいな目で見つめないでぇぇぇぇ………

ヴィ「確かに、アンタはAの子供っぽい顔ではないわ。顔つきはシュッとしていて、目は下三白眼」

ユ「した……さんぱくがん？」

いや、確かに私三白眼だけども。

ヴィ「三白眼は三種類あるの。その内、アンタは最も多いタイプ。自分の顔くらいちゃんと分かっていなさいよ」

んなもん知るか。

ヴィ「アンタどんだけ感心が無いの！
…それに似合ったメイクやコーデはある。それに、アンタの性格からして、タキシードも良いけどドレスの方が似合っている気がするわ
ほら行くわよ」

ユ「行くわよっ、じゃないですってば！」

私はグギギギと歯を食い縛って足を踏ん張る。今なら、よく見る「お散歩を嫌がるワンちゃん」の気持ちが分かる気がする。

ル「自分の可能性を自分で否定するのはあまりいただけないよ、トリックスター」

少し黙っといてもらって良いですかね！？

グ「なぁに駄々捏ねてんだ？子分」

「ユウさん……お願いします……！」

うっ……うぅぅぅ……！！！！

数分後。

ヴィ「良く似合ってるわ。流石アタシ」

ル「実に美しいよトリックスター！」

「とてもキレイですよ！ユウさん！！」

グ「すげー変わったんだぞ…！」

鏡の前に移る私は……めちゃくちゃ大変身していた！

ユ「…ま、まじか……」

薄緑の襟に、白で統一された半袖のウェディングドレスみたいなキラキラな服。飾りもフリルも少ないけど、煌びやかに見えて眩しい。
スカートにはスリットが入って、髪には白い花の髪飾りが付けられている。
前髪も三つ編みにしてまとめられてたりとか、ちゃんとセットされてた。

ユ「な、なんか恥ずかしいな……」

私にこんな煌びやかな服が似合うなんて…