ちょっと強くてちょっとヤバい異能力者は、魔法学校で様々な事をするようです (ページ27)

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エピソードおまけページ27

私が小声で抗議してると、Aちゃんがニコニコ笑顔で台所から帰ってきた。
手にはちゃんと塩を持っている。

「お待たせしました～♪」

…どうしよう。あそこまで喜んでて「ごめんこれ食べれないんだー☆」とか言ったら絶対悲しませちゃうし…！！

「ユウさんも早くお席に……ユウさん？」

ユ「えっ！？
あ、あぁうんそうだねー！」

私は愛想笑いをしなが、そそくさと自分の席に座る。
当然のようにAちゃんに怪しまれ、みるみると不穏な顔になる彼女。

「もしかして、アレルギーとかあるんですか？もしくは…」

ユ「無い無い無い！！ぜーんぜん無い！！」

「それなら良いのですが……あ、どれから取りますか？」

ユ「えーと、まずそのオオバコの鍋から欲しいなー」

「畏まりました～」

…どうしようマシでどうしよう！！
このまま乗り切るか！？それとも意を決して食べるか！？
…でもアレを食べるなんて私みたいな一般市民には難しい！！

…と、私がどうにかして虫料理を回避する方法を見つけようとしたところ。突然Aちゃんが叫び始めた。
　
「…あぁー！！バッタの料理が無い！！」

ユ「…えっ！？」

ビックリしてあの料理の中を除くと、確かにあんなにあったのがキレイに無くなっている。
その皿の前では、猫魔獣のグリムが満足そうに笑っていた。

グ「ふなぁ～♪このバッタメチャクチャ美味かったんだゾ～♪」

「真坂……グリムさん！これ全部食べちゃったんですか！？」

Aちゃんに詰め寄られ、グリムはギクリとしっぽを伸ばした。

グ「…だ、だって、このバッタ中が空洞でサクサクで美味しいから箸が止まんなくてつい…」

「つい…じゃありませんわ！
もぉ！あれほどユウさんのために残しておいて下さいねって言ったじゃないですか！」

Aちゃんはぷくりと頬を膨らませてグリムを叱った。当のグリムも不機嫌そうにそっぽを向く。

グ「オレ様ハラ減ってたんだからしょーがねぇんだゾー！」

そして私は心の中で叫ぶ。

…グリム……
…ナァァァイスゥゥゥゥ！！！

…良かった！これで食べずに済むー！！

…けど、グリムの食レポ聞くと、やっぱちょっと美味しそう……かも。

ユ「まぁまぁ。まだこんなにあるんだし、良いじゃん良いじゃん！」

私は満面の笑みでAちゃんを宥めて席に座らせた。彼女はちょっと膨れっ面だったが、すぐに機嫌を直してくれた。

「……そうですね…。
グリムさん、今度から気をつけて下さいよ！」