ちょっと強くてちょっとヤバい異能力者は、魔法学校で様々な事をするようです (ページ11)

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エピソード3 ページ11

エ「んだよ、乗り気だったくせに(ボソッ)」

デュ「なっ！？(ボソッ)

ユ「はいはい、2人ともケンカしない！(ボソッ)」

全く……バレたらどうするの！

モブ寮生「Aさん！あなたは物凄く魅力的です！お、俺は、その姿に一目惚れしました！！
ど、どうか、つ、付き合って下さい！！！」

黒髪の寮生が、ベタな告白を震える声で叫び、Aちゃんに手を差し出した。
Aちゃんは付き出された手を、数秒じぃっと見つめ続ける。

……そして……

「……告白、ありがとうございます。
…貴方はとても優しい方なんですね。お手紙もとても丁寧な字で書いてあり、思いやりが感じ取れました」

Aちゃんは、ちょっと照れた顔でニコッと笑った。

全「「おぉっ！？(ボソッ)」」

…でも、その後、すぐに暗い顔になり、深々と頭を下げた。

「ですが私は、あなたの告白に答える事が出来ません。
…ごめんなさい」

モブ寮生「……なっ…！」

フラれた寮生は、「ガーン！」という擬音言が出てくるんじゃないかってくらいにショックを受ける。

モブ寮生「な、なんで……！」

「…実は、私、自分の世界に好きな人がいるんです」

全「「………えぇぇ～～～！？(ボソッ)」」

なんですと！？∑(O_O；)

「その人は、優しくて、カッコ良くて、銃の腕が私より凄くて、面倒見が良くて、辛い食べ物が大好きで、私達に沢山の事を教えてくれて、ちょっと天然で、頼もしくて……お兄さんのような人で……

私の……憧れの人なんです」

Aちゃんは顔をちょっと赤らめ、昔を懐かしむ口調でうつむく。

「全然違う世界にいるので、今は会えません。
元の世界へ戻っても、会えるかどうか分かりません。
…ですが、今はその人以外の方と付き合う事なんて、考えた事がありませんので…」

モブ寮生「け、けど、まだ帰れるかどうかなんて分からないんだろ？だったら、そんなやつ忘れて…」

寮生が慌てて説得をしようとするが、Aちゃんはゆっくりと首を横に振る。

「忘れられませんよ、一生。
たとえどんな人と付き合おうとも、私は、自分の世界にいる大好きなあの方と、比べながら生きていく事になります。
そんな行い、私はしたくありません」

小さく笑ったAちゃんが、優しい口調で自分の意見をハッキリそう言った。

そんなに、その人の事が大事なんだ……

「…それに、告白するのにナイフを持ってきている人とは、お付き合い出来ませんわ」