20歳(ハタチ)ですから (ページ11)

今日:4 hit、昨日:16 hit、合計:20,718 hit

じゅういちページ11

皇輝side

膝をぎゅっと抱えて髪の毛が乾くのを待つ

乾かしてもらうのなんて初めてだし、

何より女の人に頭を触られるもの初めてだから変に緊張してしまう

Aさんの指の感覚を頭で感じ取らないように気を紛らわす為に何も聞こえない液晶画面を見つめる

しばらくすると、温風のせいか眠気が襲ってきてウトウトしてしまう

「……ぃ？」

『え？』

微かにAさんの声が聞こえて閉じていた目を開く

するとドライヤーの騒音が消えてAさんの顔が自分の顔の横まできた

「眠い？」

『うわっ！…だ、大丈夫です…。』

「そっか」なんて言いながらAさんはドライヤーをしまいに行った

Aさんって人との距離感が近いというか、、

今だって横見たら目の前に顔があるんだもん…

びっくりして眠気なんてどっかに吹き飛んだよ

「ふふっ…まだ体育座りしてる」

『あ…』

戻ってきたAさんに指摘されてようやくぎゅっと膝を抱えていた腕をほどく

するとAさんが隣に座り、僕の髪の毛に顔を近づけた

『え、？』

「うんいい匂い…コーヒーの香り消えたね」

なんてにこやかに笑うがこちらはそんな余裕はない

近い近い！顔が近い！

なんなんだこの距離は！
最近の男女は付き合ってなくてもこのくらい普通にするのか？！

なんかAさんいい匂いするし……ってバカ嗅ぐな！

頭は大混乱でろくに返事もできず、自分の髪の毛を触る

『あ、サラサラ…』

思わず声に出た

「でしょ。大人はいいやつ使ってますから」

いや僕も大人ですが…言いそうになったがAさんから見れば僕はまだ子供なのかもしれない

「カレー好き？」

『はい。好きです。』

「良かった〜。じゃあ用意するね」

そう言ってキッチンに消えていくAさん

ん？用意する……え？カレーを用意するの？？

待ってくれ、、展開が早すぎてついていけない…。