柱合裁判 ページ32
御幸side
俺たちが連れてこられたのは、大きな屋敷だった。
光波達が刀を持っている。何が何だか分からない。
「お館様の、お成りです。」
すると、どこからか不意に声が聞こえてきた。とても落ち着いた、澄んだ声。
その声が聞こえるとほぼ同時に、俺たちの前にいる光波や竈門達は屋敷の方へと跪いた。
由奈が怯えた顔をする。
飛び出して守ってやりたいのに出来ない…何だか、してはいけない気がする…。
『お館様におかれましても、御創建で何よりです。益々のご多幸を切にお祈り申し上げます。』
すらすらと、聞いたこともないような敬語を話す光波。
お館「ありがとう、A。」
"お館様"と呼ばれた男は、ニコリと微笑んだ。おでこから目までが紫色に変色している。目も見えていないようだ。…病気か?
お館「驚かせてしまってすまないね。青道高校と、稲代実業高校の野球部一軍メンバーだったかな?」
警戒しなければならないはずなのに、何故かふわふわする。
何故か分からないけど…。
お館「ここに君たちを呼んだのは、いろいろと訳があるんだ。…珠代。」
柱+同期組「「『!!』」」
胡「珠代さんもいらしていたのですね。」
蝶の髪飾りをした女が目を見開いて言った。
珠「はい。私は、太陽を克服できていないので部屋の中からですが、申し訳ありません。」
着物を着た女性が、部屋の奥から出てきた。隣には、緑がかった髪をした少年がいる。
珠「野球部の皆さんは、初めましてですね。私は珠代。こちらは愈史郎です。」
愈史郎と呼ばれた少年は、俺たちを見ると"フッ"と鼻で笑った。
なんかムカつく((
珠「私がここに来たのは、木村由奈。あなたがした悪事の全てを吐かせるためです。」
は?
珠「血気術 白日の魔香…。」
え、ちょ?なんで自分の手を引っ掻いてんだ?
聞く間もなく、近くにいた黒い服を着た奴らに口と鼻を布で抑えられる。
隠「吸うなよ。人が吸うと害が出る。」
え?じゃあ、アイツらは…Aらはいいのかよ。
そう思ってAを見ると、羽織の袖で口と鼻を覆っていた。ほかの奴らもそうだった。
それより、由奈は、あいつは!?人間が吸うと害が出るんだろ?由奈は…!
珠「あなたは、これまでどんな悪事を働いてきたのですか?」
木「ふっ、そんなの聞かずとも分かっているんでしょ?」
え?
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作者名:空気 | 作成日時:2020年7月20日 14時