秘密の話 (ページ27)

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YJ side

JN ｢詳しいことはAに聞きな。俺にも全部は話してくれてないと思うから。それと、これからはAの様子をしっかり見てあげて。あと絶対にAを責めないこと。気づいてあげられなかったメンバーも悪い。｣

先輩にはそうは言われたけど、どうしても納得がいかなかった…悔しかった。
気づいてあげられなかった自分にも、何も言わなかったAにもどっちにもイライラして。

Aもイライラしてか、タメ口になっているしここにいて誰かに聞かれると今はまだ話がこじれると思ったから部屋に呼んだ。

『殺害予告が来たのはいつ？』

｢…3ヶ月前｣

『どうやって？』

｢知らない番号から電話があって、出たら変声機で声を変えた人からで…“BTSに近づくな、TXTに近づくな。お前はいらない。今すぐ出ていけ。じゃないとお前を殺す”って｣

Aの番号を知ってるってことは、安易にAにも俺たちにも近づけるってことだ。

｢脅しじゃないとも言われた。でも、その電話以外には何もないし3ヶ月経ったから別に大丈夫だと思って言わなかった。｣

『これからあるかもしれないだろ？油断させといていきなり来るかもしれない。なんでもっと早く言わなかった？なんで顔に出さなかった？俺たちをまだ信用できない？』

｢…信じてないわけじゃない。ただ…怖かった。みんなが私を好いてくれて、Aはいつも頑張ってるよって言ってくれる。この事をみんなに言って、不安にさせるのが嫌だった。みんなにも被害が及んだら…って思ったら怖くて…｣

AもAなりに考えてたんだ。

『…ごめん、でも俺はやっぱり先輩じゃなくて俺たちに頼ってほしかった。』

｢………｣

『俺たちは大丈夫だから。何があっても乗り越えるのがグループだろ？Aは大事な大事なメンバーで家族なんだよ。お願いだから、これからは悩みがあるなら話して。大丈夫で片付けないで隠さずに話して。』

｢…はい。ごめんなさい…｣

Aは先輩以外の人…それも一番近くにいる俺に話せた安心感からか涙が止まらなくなり、そのまま疲れて寝てしまった。

背負うものは俺たちより多い。
事務所唯一の女の子、今や世界的スターと呼ばれる先輩たち直属の後輩、“女”というハンデ、ダンスのレベル…

認めてもらわなきゃ、迷惑はかけられない、という思いから溜め込んでしまう。俺たちはそれに一番に気付かなきゃいけないんだ。