16 ページ16
・
『あ、そういえば希々、今日は誰に告白されたの〜?』
帰り道、からかい混じりに希々にそう聞いてみる。
祥生の気持ちも知ってたと言えば知ってたから、思っていたよりもダメージは少なかったらしい。
私はそれなりに元気を取り戻していた。多分。
｢えっ、Aなんで知ってるの!?｣
『あのねぇ希々、自分では隠せてるつもりでも、まわりから見ると意外とわかりやすかったりするんだよ?』
｢まぁ隠してるつもりもないからいいんだけど…
…あ、隠すと言えばA、今日の昼、なにかあった?｣
今日の昼。
あの光景を思い出して、どきりと胸が鳴る。
『え、なんで…??特別なことは無かったけど…』
｢いや、あのね、さっき汐恩が珍しく私に声掛けてきたんだけど
昼からAの様子がおかしかったんだけど、なんか知らない?…って言ってて｣
鶴房から希々に話しかけたなんていつもだったらものすごく祝福してたんだけど、
今はそれどころじゃない。
なんだそれ、鶴房が私の自分でも気づかないくらいの変化に気づいてたってこと?
だって、自分ではいつも通りでいれてると思ってた。
隠せてなかった?それとも、鶴房が何らかの理由で気づいた?
鶴房が人の感情にそんなに敏感だとは思えないけど…()
・
とりあえず今日の昼あったことをそのまま話すわけにはいかないから、
『いやー、ちょっと眠くてぼーっとしてただけだよ笑』
なんて誤魔化すと、
｢いや、Aはいつも眠くてぼーっとしてるでしょ…｣
って言われた。私はなんだと思われてるんだ…
｢なーんて、冗談だよ笑
…とにかく、なにかあったらいつでも私を頼ってね?
私、親友のAのためならなんだってやっちゃうよ!!｣
笑顔でそんなことを言ってくれる希々は本当にいい子だ。
つくづくいい親友を持ったなと思う。
そう、そんな可愛くて優しい親友の希々のことが大好きだからこそ、彼女の恋はなんとしてでも叶えてあげたい。
…祥生が、もし、もしも私のことを好きになってくれたなら。
全員の恋が上手くいくのかな。
なんて、現実になることのない妄想をしながら家に帰った。
・
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 270人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
なゆ .(プロフ) - にださん» お返事が遅くなってすみません🙏嬉しいお言葉本当にありがとうございます😭ゆっくりにはなりますが、にださんの下さった言葉を糧に更新も続けていきますので今後ともお付き合いいただければ嬉しいです*ˊᵕˋ* (2022年12月11日 20時) (
レス) id: 0f460ee25f (このIDを非表示/違反報告)
にだ(プロフ) - とても楽しく読ませて貰ってます。今後の展開も楽しみなので、無理なさらずに更新が再開されることを楽しみにしております！ (2022年11月29日 14時) (レス) @page15 id: d02bce7891 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：なゆ | 作成日時：2022年9月22日 17時
