不意討ちの時間 ページ47
─
「「「「…………！？」」」」
「もう赤羽さんのこと置いといて、単純に苛ついたんですよね……
彼にお墨付きも貰ってることなので、今度は私と一戦交えませんか？」
此方を、向け。
念が通じたのか私を見て口の端で笑う。
「中々良い殺気だぬ……良いだろう、此方を始末してから直ぐにでも闘おうでは」
「いえ、私、『次』なんて一言も言ってませんけど？
…………随分と余裕ぶっこかれてますね？
闘いの最中に相手から、気は兎も角、目まで逸らされるなんて」
其方の決着が着いたと、いつ言いました？
「ぬ？」
おじさんぬさんが赤羽さんに顔を向けると、
彼が持っていた機械からガスが噴射された。
ハンカチで口を抑えてこれまた何ともゲッスい表情で笑う彼。
「奇遇だね〜、2人とも同じ事考えてた」
ガスを彼よりまともに喰らったと思われるおじさんぬさんはナイフを取り出す。
あー本格的にフェアの約束破りにきましたね
ではもうルール無用ということで
赤羽さんがおじさんぬさんの腕を軽くいなして捻りあげたところに膝からドスッと着地。
傍らに落ちたナイフはちゃっかり貰った。
「ホラ寺坂早く早く。ガムテと人数使わないとこんな化けモン勝てないって。」
「……。へーへー、テメーが素手でタイマンの約束とか、
その言葉に心底共感して深々と頷くとジト目で見られました
「縛る時も気を付けろ。そいつの怪力は麻痺してても要注意だ。特に、手のひらは掴まれるから絶対に触れるな」
「「「「はーい」」」」
ガムテープで縛り上げて一丁上がり。
「赤羽さんがすんなりやられるとは思ってませんでしたけどそんなん隠し持ってたんですか」
「毒使いのおっさんからくすねた。使い捨てなの勿体ないくらい便利だね」
成る程その手がありましたか。
おじさんぬさんが涸れかけの声を溢す。
「何故だ……俺のガス攻撃……お前は読んでたから吸わなかった。
俺は素手しか見せてないのに……何故……」
それに、赤羽さんが返す。
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作者名：花言葉 | 作成日時：2019年1月15日 15時
