隣の席の赤髪さん。Part4 (ページ35)

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要求の時間ページ35

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　私が近づいたと同時に、勘づいた烏間先生が

　画面を叩くとスピーカーにしてくれる。

　『山頂の“普久間島殿上ホテル”最上階まで

　一時間内にその賞金首をもってこい。

　だが先生、お前は腕が立つそうだから危険だな。

　そうだな……動ける生徒の中で最も背の低い男子と今お前の一番近くにいる女子、その二人に持ってこさせろ』

　「……！」

　烏間先生がバッと私を見る。

　……私ですかね。そして渚さん

　……しかし、『その』と言ったことと言い、

　わざわざ先生の一番近くにいる女子と指定したことと言い。

　辺りをゆっくりと見渡す。

　黒々とした海。

　天井角にある監視カメラ。

　思考に耽っていると、通話が切れた携帯を破壊して仕舞いそうなくらい強く握りしめて歯を食い縛る烏間先生が視界の端に映った。

　＊

　＊＊

　「…………という訳だ。」

　烏間先生が皆さんに事情を説明し終える。

　私が聞いた電話も途中だったらしく、それまでのやり取りも交えて。

　・皆さんに盛られたウィルスは独自開発されたもので治療薬は敵の手元にある一種類のみ。

　・ウィルスの感染力は低いが人に感染したら一週間ほどで死に至ってしまう。

　ここからは私も聞いた話。

　・私と渚さんで一時間内にホテルの最上階まで持っていく。

　・一時間を僅かでも遅れる、若しくは外部と連絡をとった場合即刻治療薬は破壊する

　要約するとこのような感じだ。

　暫くして防衛省の園川さんも首を横に振って、ホテルの概要を教えてくれた。

　まず全うな人達は出入りしないそうで、常連客は国内外のマフィアやそれらにコネがある財界人など。

　夜な夜な違法な商談やドラッグパーティーなどが開かれているとか。

　止めとばかりに政府の上層部ともパイプがあると。

　「…………よし。

　んじゃとっとと乗り込んで大将一発ぶん殴って治療薬もぶんどってきます」

　「話聞いてた香澄！？」

　「キョウ、馬鹿？馬鹿なの？」

　当たり前だが容赦ない言葉を投げつけられる

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