一斉訓練の時間 ページ19
─
ゆらん。
ポニーテールが動き回って顔にばしばし当たる。
「うう”う”………」
暑さも相まってうっとうしくてしょうがない。
ぶるん！ と顔を振ると、ぶ！ と言う声が後ろからする。
「音無……髪の結い方変えたらどうだ？
てか変えて。俺に被害がくる」
射撃の列で、後ろに並んでいた菅谷さんが顔をおさえながら言った。
曖昧な笑みを浮かべてごまかすと、そっと前を向く。
おい、という追撃は聞かないことにした。
─────南の島暗殺旅行まで、後一週間。
最終的な計画の詰めと、訓練のため、今日は
学校で一斉訓練を行っていた。
「まぁまぁガキども、汗水流してご苦労なことねぇ〜」
「イリーナ先生………」
セレブな服に身を包み、サングラスをかけて颯爽と(を意識したと思われる)出で立ちで現れた。
三村さんが、訓練しろよ、射撃もナイフも俺らと同レベルだろと抗議するが、
「大人はズルいのよ。アンタ達の作戦に乗じてオイシイとこだけ持ってくわ」
と鼻で笑われた。
猛然と反論したい気分にかられたが、その前に後方の影に気づく。
「あ」
「何よ香澄。変な声出して」
「え〜っと…………」
どう伝えようか思考を瞬巡させた挙げ句、手のひらを上に向けてそろ〜っと後方を示す。
ふりかえるイリーナ先生。
「……ほほう、えらいもんだなイリーナ」
「ロ、ロヴロ
ぬううううんと負のオーラ満載のロヴロさんは烏間先生によって夏休みの特別講師として来てもらったと紹介される。
「1日休めば指や腕は殺しを忘れる。
落第が嫌ならさっさと着替えろ！！」
「へ、へい喜んで！！」
江戸っ子かとツッコみを入れたくなる良い返事をして、イリーナ先生は校舎へと猛ダッシュ。
ロヴロさんが烏間先生に殺せんせーはいないのか、と確認をすると、ひなたさんが質問する。
「ロヴロさんって殺し屋の斡旋業者なんですよね？
今回の暗殺にも誰かを……？」
その質問に首を横に振り、彼は語りだした。
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作者名：花言葉 | 作成日時：2019年1月15日 15時
