夏目の弟君も妖怪が見えるそうです【参】 (ページ35)

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双子の問題② ページ35

〜空太side〜
あれから僕と霧堵の仲はピリピリしていた

霧堵とは物心つく前から一緒にいたから、いつかこうなることはわかってた

霧「……空、ちょっといいか？」

部屋に入ってきた霧堵の言葉に、僕は筆を持つ手を止めた

霧堵が僕のことを空って呼ぶときは決まって大事な話があるときだけだ

僕は霧堵のほうを見ずに黙っていると霧堵は真剣な声で話し始めた

霧「お前に、話さないといけないことがあるんだ」

空「…………」

霧「実は……妖っていうのが見えるようになったんだ」

え……？

霧「お前が聞こえてた声のやつ？が見えるようになったんだよ。つっても、最近見えるようになったばっかだけど……夏目に空太にも話しとけって言われて……」

空「……だから？」

霧「それで……え？」

空「だから何って、言ってるんだよ」

霧「空……？」

空「今更見えるようになったから何？今まで悪かったって？許してほしいって？ふざけないでよ！お前がどれだけ夏目くんを傷つけたと思ってんの！？どれだけ僕を苦しめたと思ってんだよ！！」

僕は椅子から立ち上がり、霧堵に掴みかかって大声で自分の今まで溜めていた気持ちをぶつけた

苦しい……辛い……痛い……

息苦しくて、ここにいたくないと思った

だから僕は……

霧「空！！」

霧堵の制止の声を聞かず、外に飛び出したんだ