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｢おお！似合うじゃないか、Aちゃん。｣
部屋に入るなりユニフォーム姿のあたしを褒めてくれる原監督。
｢ありがとうございます。｣
｢じゃあ、今日からよろしく頼むね。とりあえず今日は球場内がどんな感じか覚えてもらって。で、今日の試合良かったら見て帰ってよ。席は用意してあるから。｣
まだ少し憂鬱だけど、久しぶりに生で試合が見れるのは楽しみだった。
｢じゃあA。お父さんは仕事あるから帰るな｣
｢えっ、あたし帰りどうやって帰ったら…｣
｢大丈夫。Aちゃん専用のタクシーも手配してるから。出勤する時の送り迎えもその子にお願いしてるからね。｣
ええ！？あたし専用のタクシー！？
やっぱり原監督、考えることが一味ちがうなあ。
なんて感心してた。
｢おーい、蓮(ﾚﾝ)！｣
原監督が名前を呼ぶと、奥の部屋から少し若めのお兄さんがやってきた。
茶髪にピアス、180センチくらいは余裕でありそうなくらい背が高い。
｢僕の親戚の息子の蓮だ。タクシーの送り迎え等全て任してるから、仲良くしてやってくれると嬉しいな。ドーム内のことも全部把握してるから今から一緒に行動してあげてくれ。頼んだぞ、蓮｣
｢……うす。｣
軽くあたしに会釈して、こっちへと近づいてくる。
｢よろしく、名前は？｣
｢南 A。よろしくお願いします｣
｢Aね、オッケー。じゃあ行くかあ｣
そう言って扉を出る蓮について行く。
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作者名：向日葵 | 作成日時：2021年4月22日 13時
