5 ページ5
.
「で、でも!あたしナイターは行けてもお昼は学校が…」
「ああ、安心して。ちゃんと校長先生に伝えてあるから大丈夫だよ」
それって、デーゲームの日は学校行かずにアルバイトってことだよね…
ああ、神様。いるなら助けてください、お願いします。
「よし、なら早速このユニフォームに着替えてもらってもいいかい?」
そういって差し出されたユニフォームはとてもピカピカだった。
もう、降参するしかないよな…
「ここを出て、左に進んでもらったら女子更衣室があるからね」
「じゃあ、着替えてきます」
そう言い残し、監督室から出る。
閉めた扉の向こうからは、お父さんと原監督が楽しそうに話す声が聞こえた。
諦めて廊下を歩いてると、前から人が歩いてくるのが見えた。
う、うわああ!菅野投手だ…!
挨拶とかしてた方がいいよね。
やばいよ〜〜〜〜。緊張する…。
「おはようございます…。」 ペコ
「あれ?そのユニフォーム…もしかして新しいボールガールちゃん?」
パッと顔を上げると、優しく微笑んでくれる菅野投手。
や、優しい…!!
「そうです!さっき来たばかりなんでまだ何もわかってなくて…すみません」
「なんで謝るの。笑 名前は?」
「南 Aです!」
「Aちゃんか、よろしくね。俺は投手の菅野智之です。」
ニコっと笑いかけてくれる笑顔が眩しい…。
「存じ上げております…。」
「笑笑笑。そんなかしこまらなくていいから!笑 どこ行くの?更衣室?」
「あ、そうです。更衣室に」
「更衣室反対。通り過ぎちゃってるよ。笑」
ええっ、恥ずかしい…
なんで通り過ぎちゃってんの、あたし。
「一緒に行こっか。俺もそっちだし」
「え!ありがとうございます!」
もう…神…仏…。
このアルバイト、菅野さんがいてくれるだけで頑張れる気がする…。
.
129人がお気に入り
この作品を見ている人にオススメ
「オリジナル」関連の作品
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:向日葵 | 作成日時:2021年4月22日 13時