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「……んっ、もう…まだダメ…っ」
車まで歩いてる途中、どこからか女の人の声が聞こえた。
前を歩いていた蓮が、左を見てペコリと会釈だけして
そのまま歩き出す。
誰かおるんかな？と思い蓮の見てた方へ顔を向けると
そこにはセクシーな黒のタイトワンピを着た女の人と、坂本勇人が
キ、キスをしてた。
人生で初めて、人がこんなことしてるの見た…
思わず立ち止まってしまってたあたしに坂本勇人が気付いた。
「何みてんねん」
冷たく言い放った坂本勇人の言葉にハッとなり
急いでその場から逃げ、蓮の方へむかった。
助手席の扉を開けて、あたしを待っててくれていた。
車に乗り込み、シートベルトを締める。
「A、家どのへん？」
隣でシートベルトを締め、エンジンをかける蓮が
なぜかすごく大人に感じた。
「〇△公園のすぐ近くやねんけど、わかる？？」
「あー、あの辺な、了解」
「よろしくおねがいします、」
帰り道は、蓮と色んな話をした。
地元の話、野球の話、選手の話。
ほとんどは野球関連の話だったけど、20分の帰り道がとても一瞬に感じた。
「ありがとう、また明日！」
「おう、12時に迎えに来るから待ってて」
明日も蓮が来てくれるみたいで、時間だけ決めて蓮とわかれた。
しょっぱなから覚えることが多すぎて
高校生活の不安なんてすっかり忘れていた。
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作者名：向日葵 | 作成日時：2021年4月22日 13時
