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ご飯も食べ終わり、まだ試合まで少し時間があったので
いよいよ仕事内容を教えてもらうことに。
｢まず、出勤したらここでタイムカード切って、そんでこっち｣
蓮につづいて廊下をまっすぐ進んでくと、その先には選手の皆がいっぱい居た。
｢こっち、今の道から来たら一塁側のベンチに出るから。3塁側は基本相手チームやから、間違えんようにな。｣
蓮の言った事を忘れないよう、持ってきたメモ帳を開いてメモを取っていく。
｢ヒューヒュー！蓮の新しい彼女かあ？笑｣
｢おお？蓮やるなあ！！笑｣
わあ…阿部さんに長野さんに亀井さん。
圧倒されすぎて言葉が出なかった。
｢ちゃいますよ！新しいボールガールの子です！｣
また顔を真っ赤にしながら否定する蓮。
あ、挨拶しなきゃ。
｢南 Aです、今日からよろしくお願いします。｣
ペコリと頭を下げると、皆が口々によろしく、と言ってくれる。
やっぱりジャイアンツの皆、いい人だあ…
｢A！こっち！｣
蓮に呼ばれ、グラウンド内に足を踏み入れる。
ようやくここでアルバイトをする実感が湧いてきた。
蓮に仕事内容をざっくりと教えてもらい、少し2人で休憩を取る事に。
｢A仕事内容覚えるの早そうやし、大丈夫やな！｣
｢やめてーや…ハードル上げんといて｣
そこからは蓮と二人でたわいも無い話で盛り上がった。
｢おーい、蓮ートス投げてー！｣
聞き覚えのある声に振り返ると、坂本勇人がバット片手に立っていた。
｢勇人さん！了解ッス！｣
Aも行くで！って蓮に連れられてきたけど、
あたし無視されてて気まづいんですけどー！
｢もうめっちゃ仲ええやん、笑｣
蓮の投げる球をネットに向かって打ちながら言う坂本勇人。
｢いやー関西出身同士、気が合いますわ、笑｣
｢あ、関西なん？｣
あたしの方を向いて問いかけてくる。
｢大阪出身です｣
｢そーなんや、よろしく｣
｢よろしくおねがいします。…蓮、あたしちょっとトイレ行ってくるな。｣
会話出来たとはいえ、やっぱり気まづかった。
だって明らかにあたしも来た瞬間、不機嫌オーラ出てたもん。
こっちだって近づきたくて近づいてるんじゃないし！
そう思いながらトイレに逃げ込んだ。
｢ちょっと時間つぶそ…まだトス投げてるやろうし…｣
あたしはトイレの中でケータイを取り出し、SNSを見て時間を潰すことにした。
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作者名：向日葵 | 作成日時：2021年4月22日 13時
