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薄暗い校舎に破壊音の残響が響く。


『痛っ…』


…あれ?思ったより痛くない…




ぽたり。




頬に液体が垂れる感覚。


手首が痛む右手でそれをさわると、指先が赤く染まった。


少し生臭い。



これは…血だ。


半開きだった目を大きく開ける。


目の前には声をかけた主であろう男性。


男性の額から赤い液体だ滴り落ちる。


…私のせいで、怪我をさせてしまった。


『ごめんなさい!血が…』


私がそういうと、谷山さんもはっと顔を上げ


「大丈夫ですか!?」と近寄ってきた。


それと同時に声がした。


「どうした」


戸口に現れたのは、黒ずくめの男性。



私たちと同じぐらいの年に見える彼は、私と谷山さん、男の人を見比べ



大股に歩み寄ってきた。



「___リン?」



知り合いなのだろう、傍らに膝を突き、男の人に声をかけてから


私たちを見る。



愛想も何もない、厳しい目つきだった。

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作者名:あんみつ x他1人 | 作成日時:2023年3月13日 18時

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