ゴーストハント【旧校舎怪談】 (ページ15)

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第三章ページ15

『こんにちは』

今日も今日とて心霊調査の手伝い。

授業が終わってすぐラボに向かう。

ラボにつき扉を開けて中に入るが、誰もいなかった。

しばらく待っていれば誰か来るかな？

とりあえずモニターを見て暇を潰していると、扉が開く音がした。

「こんにちは、夜月さん」

音がした方を見ると、黒田さんが立っていた。

『何かご用ですか？』

「…今日はあのエセ霊媒師はいないのね」

『…』

やっぱりなんか感じ悪いんだよね、黒田さん。

谷山さんには普通に喋ってるんだけどな…。何か気に触ることしたっけ？

黒田さんは訝(いぶか)しげに機材を見ながらラボに入ってくる。

なんか気まずいなぁ、なんて思っていると、

「こんちはっ！」

元気のいい声がして、谷山さんが入ってきた。

『こんにちは』

「夜月さんはもう来てたんだね〜。で、黒田さんはどうしたの？」

「単に様子を見に来ただけよ。渋谷さんはいないのね」

黒田さんは谷山さんの問いかけに答えた後、真砂子のことを馬鹿にするようなことを言った。

そして「旧校舎には浮遊霊がいるの。連れて帰らないように気をつけることね」とまたまた嫌な感じのセリフを吐いた後、去っていった。

『真砂子は霊はいないって言ってますし、気にしなくていいと思いますよ』

「うん…。そういえば、夜月さんはあの霊媒さんと知り合いなんだっけ？」

『はい。母が真砂子都知り合いで』

「ふぅん…そうなんだ」

そこまで話したところで、渋谷さんが入ってきた。

「どうした？」

「い…いえ。遅いおつきで」

谷山さんが言った途端、天井からキシリと床板を踏むような音が聞こえる。

「今の、聞こえた？」

「何が？」

「ラップ音、みたいなの」

『家鳴りじゃないですか？』

私が言うと、渋谷さんはラップ音についての説明を始める。さらには音の反響まで。

そうしていると、玄関のほうから賑やかな人声と足音が聞こえた。

窓から覗くと、校長に教頭、さらに生活指導の先生がいて、その後ろに

お坊さん、ジョン、真砂子、隠れて黒田さんが続いている。

それを率いるように先頭に立っている巫女さんは、白い着物に緋色の袴を履いていて、いかにもな巫女さんの格好をしている。

巫女さんの除霊が始まるのだ。