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渋谷さん達と旧校舎に向かうと、なぜか全員ついてきた。


ピリピリした空気が苦手らしいブラウンさんは私達と協力することになったが、


巫女さんとお坊さんは各自で動くらしい。


「それより、あなた方のお名前、聞いてへんかったですね。渋谷さんのアシスタントでっかです?」


「うん。そんなもの。谷山麻衣です」


『同じくアシスタントの夜月Aです。よろしくお願いします』


「僕はジョンと呼んどくれやす。よろしゅうに、です」


やっぱり変な日本語、と思いながらモニターを見る。と、そこには見慣れた少女の姿があった。


着物に肩で切りそろえた黒髪。日本人形のような彼女、原真砂子は私の幼なじみであり、テレビにもでている有名な霊媒師だ。


玄関のカメラに映っていた彼女はいつの間にかラボの戸口に立っていた。


「あたくしの事なら自分で申し上げますわ。原真砂子と申しますの」


『真砂子』


私が声をかけると、真砂子は私に駆け寄り、抱きついてきた。


「最近会えていなかったので心配していましたの。ちゃんとご飯食べてますの?完全食じゃなくて」


『あぁうん…たべてるよ、ちゃんと』


「嘘ですわ!目が泳いでますもの。今日は二人でどこかに食べに行きましょう」


『分かったよ…。でも食べさせようとするのはやめてね?ちゃんと自分で食べれるから』


「…夜月さん、原さんと知り合いなのか?」


『私の両親と真砂子が知り合いで。年が近かったので仲良くなりました』


「両親…?……もしかして君の両親はあの夜月」


「そこまでですわ」


真砂子が渋谷さんの言葉を遮って言う。


「あなたは?霊能者には見えませんけど」


「渋谷サイキックリサーチの所長で渋谷といいます」


「あたくし………どこかでお会いしたことがあったかしら?」


「初めてお目にかかると思います」


「…………そう………?」


言って真砂子は機材を見る。


「…霊はいないと思いますわ。校長先生は大変怖がっておいででしたけど、何の気配もありませんもの」


…助かった。


どうやら渋谷さんは私の両親が超能力者と霊媒師として活動していたのを知っているらしい。


私はなるべくそう言うことには関わりたくない。


もし私の力を持っているなんてばれたらこの先も渋谷さんのもとで働かないといけなくなるかもしれない。


そんなのはごめんだ。


本当にありがとう、真砂子。

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作者名:あんみつ x他1人 | 作成日時:2023年3月13日 18時

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