[弱虫ペダル]箱学の新入りマネージャーはよく狙われる！Section３

Target100＊雨の日の告白 ページ6

少しの間、目を閉じていた。

雨もまだ止みそうにないしな…



と思っていると突然、


「Aチャン！！」

と遠くから声が聞こえた。



…この声、荒北さん？


目を開けると、本当に荒北さんがいた。

傘は差してるけど足元は結構濡れている。



「何でここに荒北さんが…？」

「真波から話聞いて、Aチャン傘持ってないかもって言ってたから！ つかびしょ濡れじゃねェか！これでも羽織れ！」


荒北さんはカーディガンを脱いで、私にかけてくれた。

そのまま私の隣に腰を下ろす。


「ありがとうございます… まだ着替えてなかったんですね」

「今日は部活遅れてったからな！そのあとミーティングの予定だったしィ！」


そっけない態度だけど、心配して来てくれたのかな…？



「私、福富さんたちが話してるの聞いてたんです… それで、ここに私の居場所はないんだなぁって思ったら、真波くんにも嫌な態度取っちゃって… 本当最低ですよね…」

また涙が溢れてくる…

なんか、荒北さんには話せるんだよね…


「まァ、俺たちに止める権利ねーからな。だから、背中押してやりてえって思うんだろ！ つーか…」

「えっ…？」



ぎゅっ…



突然、荒北さんに抱きしめられた。




「荒…北さん…？」


「泣くくらいなら俺に相談しろよ！// 言葉で伝わんねーなら直接伝える」



顔に熱が上がってくる。

恥ずかしいのに、荒北さんの温もりが心地よくて離れられなかった。




「あと、これは独り言だ。聞き流してくれ…

俺はAチャンにそばにいて欲しいし、Aチャンが辛い時はそばにいてやりたい！ 部活の先輩としてじゃなくて、Aチャンのことが好きだから」



えっ…？！

それって、なんだか告白みたいじゃ？///




「あァーなんか雨弱くなってきたな！じゃ俺戻るわ！」

「えっ…あのっ！」


てか雨全然弱まってないし！

でも荒北さんは私が何か言う前に立ち上がり、持っていた傘を押しつけてきた。



「言っとくケドォ、独り言に返事なんていらねェからな！ 悩み相談なら大歓迎だけど！」


ビシッと指を指して行こうとした荒北さんはもう一度振り返って、


「次は元気な顔でその傘返しに来いよ！」


と言った。




…

一方その頃荒北は…



＜荒北Side＞


いやいやいや！

何言っちゃってンのォ俺！？///


今の絶対告白って思われたよな？

いや、間違ってねェケド…


ああクソっ、恥ずかしすぎて死ねるっ///




絶賛悶絶中なのでした。

Target101＊それぞれ残る→←Target99＊通り雨に濡れて

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す