12月12日 ― 恋堕好日 ― (ページ43)

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■02. ページ43

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鳴ってる…

携帯が鳴ってる…

携帯………!!

A「……も、もしもし!!」

やっちゃった。

握りしめて寝ちゃったよ…。

『おはよ。』

慌てて電話に出ると耳元から大好きな優しい声が聞こえる…。

A「おはよ…」

和也の『おはよ。』をベッドの上で噛みしめるように聞いて返事をする。

お泊まりしたときに隣で聞く声も好きだけど

受話器越しだとちょっと違って聞こえるその声がすごく好き。

すっごくすっごく好きで、未だに電話で話すたびにキュンとなる。

『…もう「こんにちは」な時間なんだけど？』

A「ごめんなさい…今日行けなくなった…。」

『具合悪いの？』

A「身体は元気なんだけど…コンタクトなくしちゃって…」

『メガネは？』

A「メ、メガネもなくしちゃった…みたいでね‥。出掛けられない…んです。」

『は？なにそれ？』

ど、ど、どうしよう…。

酔っ払っちゃってーっ！って言った方がいい？

三次会まで行って記憶なくしちゃってーっ！なんてこと……

い、い、言えない……。

A「ごめんね…。」

待ちぼうけさせてしまったことを謝るしか出来なくて

しょんぼりしながら何度も謝った。

電話の向こうの和也はなんの言葉も返してくれない。

じわ…っと涙が滲みかけた時

はぁー…って溜め息と、それじゃ来れねぇなって声が聞こえた。

『そっち行くわ。』

A「……ごめんね。」

インドアな和也が外で待ち合わせしようって

デートしようって、言ってくれたのに…。

……和也は、覚えてるのかな。

今日は私たちの特別な日だってこと。

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