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A「(こうなりゃとっとと挨拶をして、隅っこの方で２時間過ごそう。)」
壁の花として、装飾品の様にジッとしてれば時間は過ぎるはず。
(装飾品に見える訳ないけど！)
善は急げとキョロキョロと周りを見渡して、本日の主役を探す。
A「(いた！！)」
大きな螺旋階段の下。
一際、人の集まっている輪の中心に、その人はいた。
A「………。」
見つけたはイイモノの、
あんなキラキラの輪の中に、こんな格好で入って行く勇気なんてない。
本日の主役が噂通りの人ならば、絶対に怒ったりはしないだろうけど、
取り巻きは……、分からない。
A「(どうしよ……。)」
空気の読めないフリして行ってみようか…。
イヤでも……。
チラリチラリと様子を窺ってるけど、
さすがに主役が一人にはなりそうになくて。
せめて少しでも人が少ない時を…と思うけど、そのタイミングも訪れない。
うろうろ。
チラリ。
うろうろ。
チラリ。
入口付近の壁の前で、行ったり来たりを繰り返してた、
そんな私の目に、
A「(ん？)」
変な画が飛び込んできた。
キラキラの輪の向こう側に、
ニョキっと腕が生えた。(ように見えた。)
それがブンブンと左右に動く。
A「(んん？？)」
こっちに向かって手を振ってるように見えるけど、
私がいるのはお店の端で、
その間に点々といる人達の中には、あの手に答える人がいない。
A「(((*≧艸≦)ﾌﾟﾌﾟ…ｯ)」
可哀そうに、
誰かと誰かを勘違いしてるんだ。(笑)←心が荒んでる。
何度か大きく動いてた腕が、
間違えてたことに気づいたのか、スッと輪の中へ消える。
ソレがまた見えたのは、
本日の主役の腕にソッと触れた時で。
人だかりのせいでずっと見えなかった顔が見えたのは、
その人が輪の中から抜け出て、こっちへ向かって走りだした時。
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作者名：１２(とうふ)の角(かど)に頭ぶつけ隊
x他3人 | 作成日時：2013年12月3日 12時
