□01.夢一時彼×舞×リアル ページ33
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A「すぅ〜〜、…はぁ〜〜。」
大きな扉の前。
そこでひとつ、深呼吸をする。
A「(『おめでとうございます。兄が来れなくなってしまって申し訳ありません。』)」
昨日から、何度も何度も練習したセリフを心の中で唱える。
A「(よっしっ！)」
気分は乗らないけど、行くしかない。
２時間ほどの時間に耐えれば、私の任務は終わるんだから。
目の前のノブを捻って、
大きなその扉をグッと押した。
都内にある、とある有名レストラン。
今日はそこを貸し切って、大物女優のお誕生会が開かれている。
ソレに『俺の変わりに行ってくれ。』と兄から電話があったのは、昨日の夕方。
A『はぁ！？』
『頼むよ！』
小さな花屋を営む兄は、
女性にはない『大胆で斬新なフラワーアレンジ
小さい店なのに売り上げはなかなか良くて、
何人か、ゲイノウジンのお客様がいることは聞いていた。
だけどまさか……、
日本中の誰もが知ってる大物女優。
その人のお誕生会に呼ばれる仲だとは、
………聞いてない！
A「(( ゜Д゜)ﾎﾟｶｰﾝ)」
開いた扉の先に見えたのは、煌びやかな内装と、
それに負け時とも劣らない煌びやかな人達。
もう、何がどうすごいのかも分からない……。
「お客様？？」
A「(ハッ！Σ(ﾟдﾟ))」
ウエイターらしい男の人が、扉の前で立ちつくしてた私の顔を覗きこむ。
決してバカにした感じではなく、本当に心配そうに。
(こう言う所が一流なんだと思う。)
A「あ……大丈夫です。」
浮かないようにって、それらしい格好で来たつもりではいたけど、
どこのブランドかも忘れた、
友人の結婚式で来た衣装は、陳腐過ぎて余計浮いてない？？
ウエイターにはニッコリと笑ったつもりだけど、
A「(コレでイイって言ったじゃない！兄ちゃんのバカ―――！！)」
目は死んでたと思う。
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作者名：１２(とうふ)の角(かど)に頭ぶつけ隊
x他3人 | 作成日時：2013年12月3日 12時
