■05. ページ27
相葉くんに無理矢理連れて来られたのかな？
相葉くんの事、なんだかんだいって、大好きだもんね？
自分のスマホを見てみると『連絡ちょうだい』っていう二宮くんからのメッセージが入ってた。
「なんか悪い、なぁ」
「へ？」
「二宮くん、あぁいうの、一番苦手そうだから」
親友の付き合いだっていっても、いい気分じゃない、と、思う。
「怒ってそう」
独り言のような私のつぶやきに、マユはちょっと驚いた顔をした。
「まさか！お姉ちゃん大好き二宮くんに限って！」
私は苦笑いしてそれには答えず、遠く、柱の影にまた隠れてしまったその人を、想う。
そんな2人の手にあった携帯が同時に震えた。
「！！」
2人して顔を見比べて、窓の外、正門のところに携帯を耳に当てる相葉くんを見る。
「ちょ、マユ！出なさいよ！」
「お姉ちゃんこそ！」
そう言い合っていたら、私の方は着信ありの表示に切り替わり、震えが止まる。
「もぅ！」
マユが２度目のコールに通話をタップして、もしもし？とちょっとキレ気味に電話に出る。
「雅紀！？なんでそんなところにいるのよ！丸見えよ？！・・・へぇーじゃなくて！！」
マユの声に、嬉しそうに答える相葉くんの声が、かすかに漏れ聞こえる。
「二宮くん連れ回して！お姉ちゃん、二宮くん怒ってるんじゃないかって隣で心配してるのよ？！」
ちょ！マユったら！とその二の腕に縋るが、もう遅い。
「お姉ちゃんが不安そうな顔してるの！二宮くんのせいなんだからね？！親友なら、あなたも責任とりなさいよ！！」
マユの言葉に、相葉くんは、何て答えたんだろ？
「ちょっ！・・・んもー！一方的に切るんだからー！」
ピ、と終了の赤いボタンに触れ、お姉ちゃんごめんね？と困った顔。
「雅紀、悪気があるわけじゃないの」
「そんなこと、私だってわかってるわよ(笑)」
「二宮くんもね？たぶん、お姉ちゃんに会えて嬉しいって、思ってると思うよ？」
マユの言葉に、そうならいいな、って祈りたい気持ちになる。
「お姉ちゃん？お姉ちゃんが思うよりずーーーっと、二宮くん、お姉ちゃんのこと、大好きよ？」
私知ってるもん！てマユは笑う。
「お姉ちゃんが登下校中に変な男に絡まれないかちゃんと見張れだとか？バイトさせるなら男のいないとこ勧めろだとか？」
「なにそれ・・・」
「初めて聞いた？当たり前よ、私、今、初めて言ってるもの」
しれっとマユはそう言うと、ほら！帰ろ！と私の背中を押す。
「二宮くんも、待ってるから！」
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作者名：１２(とうふ)の角(かど)に頭ぶつけ隊
x他3人 | 作成日時：2013年12月3日 12時
