12月12日 ― 恋堕好日 ― (ページ26)

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■04. ページ26

「お姉ちゃん！」

教室で、友達とテスト明けの開放感からバカ話をしているところに、いきなり妹のマユがやってきた。
2年の教室には入りづらいから、って入学してから1度顔も出したことないのに・・・
いきなりどうしたの？って笑った。
「見て！」
そう差し出されたスマホの画面

【正門に不審な2人組発見！】

その文字の下には、小さな写真
「え？」
マユがそれをタップすると、写真が大きくなり、私の心臓も大きくドキン！と鳴った。

そこには、うちの学校の正門前に佇む、相葉くんと二宮くん・・・

【誰か待ってるみたい！すんごいソワソワしちゃって、かーわいー！】
続けて入ってる文字に、眩暈がしてきた。
「これ、テストが終わってすぐに帰ったアカネちゃんからなの」
そこにある作成時間を見ると、今から30分以上前だ。

2人して慌てて廊下に出て、遠くに見える正門を確認する。
スラリと背の高い相葉くんが見える。
二宮くんの姿は、見えなかった。
「帰っちゃった、かな？」
「お姉ちゃん、写真よく見て！二宮くん、あの門柱の陰にいるんだよ、きっと！」
もー！絶対雅紀に連れ回されたんだよ！、とプリプリ怒るマユ・・・
「きっと注目の的、よね？」
正門にいる雅紀くんを眺めながらつぶやく私の言葉に、絶対ね！とむすっと口を尖らせるマユ・・・
そんな風に、素直にヤキモチを妬くマユが正直、私は羨ましかった。

ここのところ、何となく
二宮くんと噛み合わない日々が続いていた。

そう感じていたのは、私だけだったのかな？

付き合って、2度目の冬が来た。
去年は1コ下の二宮くんが高校受験前だったから、会うこともままならなかった。
でも、春に二宮くんが無事希望の高校に入学して、その後はやっとデートらしいデートもして・・・

なのにここのところ、時間、あるはずなのに、なんとなく会えない時間が増えていた。

夜、電話してても、電話の向こうから寝息が聞こえてきたり？
私といるの、退屈なのかな？って、思い始めてた。
私から連絡するの、なんだか悪い気がして、どんどん連絡、できなくなってた。
2人でゆっくり過ごせる初めての冬休み
どこに行く？なんて話も出ない。
クリスマスも、年越しも
12月になっても、何の約束もしてなかった。

門柱の裏側にいるのかもしれない、その人が出てきてくれないかと、少し期待して見ていると、ひょっこりと顔だけが出た。

「ほら！やっぱり！」

・・・ほら、やっぱり

ちょっと、怒ってるんじゃない？