■02. ページ24
「ってかさ、いーかげん電話したら？もう終わってそうじゃん」
校舎から出てくる学生もまばらになってきて
いよいよもう先に帰っちゃったんじゃねーかって、不安になる。
「ならニノも井本先輩に連絡してよー！俺もマユにしてみるからさー」
サプライズ失敗かー！くそー！
と言いながら相葉さんは残念そうにガラケーを耳にあてる。
俺も自分のスマホの通話ボタンをタップして呼び出し音を聞いた。
「・・あっれー？出ないなぁー？」
相葉さんは校舎の方を見ながら、つぶやく。
俺のも呼び出し音が止んで、メッセージを送りますか？てゆー画面に切り替わった。
「俺たち来る前にもう、帰っちゃったんじゃね？」
半ば、本気でそう思ってた。
「あ！マユ？！今どこにいんの？？？」
電話のつながったらしい相葉さんが、一気に笑顔になった。
うんうん、と相手の話を聞き、へぇー！と楽しそうな相槌
・・・
てかさ！俺にもわかるよーに話せや！
「えー？そんなことないと思うけどー？」
チラリ、と俺を一瞥してから、ふふふと相葉さんは笑う。
何か電話の向こうでギャーギャー騒ぐマユの声がして、一瞬、相葉さんの顔が曇った
と思ったら
すぐにフワリと嬉しそうに俺を見つめて、微笑むんだ。
「うん、わかった、責任とる。わーかったから！！いーから早く降りてきてよ！」
あとは俺に任せて！！
と相葉さんは一方的に電話を切った。
「何？まだ中にいたの？マユ」
「うん、井本先輩も一緒だって☆」
「はぁ？」
と俺が不機嫌そうな相槌をすると、んもー！と相葉さんは苦笑い。
「俺の連絡無視してー！とか思ってるんでしょ？」
そりゃそうだろ？
なんでマユと一緒にいて、学校終わってるっつーのに、電話も、メッセの1つも返さねーんだよ！
相葉さんに言葉にされてみて、改めて腹が立ってくる。
「んふふ、ニノったら、ぶきっちょさん♪」
ブニ、とホッペを摘ままれて、はひ？と訳がわかんない俺は、眉間に深い深いシワを寄せる。
「そーゆーの、へったくそだよね、ニノ」
「お前に！ヘタクソ言われることなんかねーぞ！俺は！」
「あるある！あるよー！！んとに、先輩も苦労するわー」
はふー☆と満足そうな笑みの相葉さん・・・
なんかさ
なんか
やたらクソ悔しいんすけど？
.
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作者名：１２(とうふ)の角(かど)に頭ぶつけ隊
x他3人 | 作成日時：2013年12月3日 12時
