12月12日 ― 恋堕好日 ― (ページ16)

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□04. ページ16

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…私が悪かったのは否定しないし

ヘンな叫び声だったって認めるけど

「カーテン開けないでっ!!」

ニノ「……見てんのそっちじゃん(笑)」

「い、いいから閉めてっ!早く!!」

ニノ「…へいへい(笑)」

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顔が熱い、今まで経験したことないくらい熱い

心臓だって、信じられないくらいドキドキしてる

上半身しか見えなかったけど

水に濡れたニノミヤカズナリの裸は

信じられないくらい色っぽくて

ただ、シャツを脱いだだけのさっきのそれとは全く別物だった

頭に巻いたままのタオルを引っ剥がしながら

バスルームを飛び出した

深呼吸を何度も繰り返すだけじゃ足りなくて

テーブルの銀のバケツに冷えたままのシャンパンを

グラスに注いで飲み干す

自分のあまりにあんまりな恰好に驚いたのに

結局着替えるのも忘れたまま

立て続けにもう一杯飲んだところでバスルームのドアが開いた

ニノ「これ、借りたけどよかった？」

結んだバスローブの紐を指で弄りながら

ニノミヤカズナリはさっきのことなんて無かったみたいに

しれっと言う

「……？」

ニノ「いや、連れの人とか…いるんじゃないかと、思って…」

そりゃそうだよね

こんな立派なホテルのジュニアスイートに

こんな普通の女が一人で泊まるなんて、おかしいに決まってる

聞いたくせに大して気にした様子もないニノミヤカズナリは

ベッドにちょこんと腰掛けて、手にしたスマホを見て呟く

ニノ「ダメかな、こりゃ…」

ベッドの上にぽいと放り出されたそれは

画面に大きなひび割れが見えた

大きなため息がさっきまでの自分と重なる

「これ、よかったらどうぞ」

グラスに注いだシャンパンを

ニノミヤカズナリに差し出した

ニノ「ありがと…俺が言うのもなんだけど、なんかワケあり？」

受け取ったグラスに口を付けてからニノミヤカズナリが言う

・

こんなに情けなくて、みっともない話をしてみる気になったのは

何となく持ってたイメージとは少し違う、優しそうな瞳とか

「言ってみ？」って感じに絶妙な角度で傾げられた首とか

何よりも、自分で意識しているよりも多分

本当はもう少し弱ってたらしい私の心が

誰でもいいから、慰めてくれる相手を求めてたせいだ