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あのたこパの日から、汐恩とは大学で会っても一言も喋らない日々が続いた。
あの日、みんな寝ちゃった時
なんで汐恩は私にキスしたんだろう？
「A 俺のことまだスキ？」
今まで見たことない切なそうな顔であんなこと聞いてくるから私は説明できない感情に支配されて、どうしたらいいか分からなかった。
汐恩の浮気のせいで私は傷ついたのに、都合が良すぎると腹が立った。それなのに私はまだ汐恩のことを嫌いと言えない。
ううん、汐恩のこと、まだ好きなんだと思う。
傷つけられたのに、なんでなのかな。
私は今、360度どの景色を見ても汐恩のことを思い出す。別れたあの日から汐恩のことを思い出さなかった日はない。
あー、考えるとじわじわ涙が出てきた。
講義室で泣いてたら絶対誰かにバレちゃう、そう思って上を向いた。
そこには、天井と、いちごオレが見えた。
いちごオレ？
木全「はいっ、どーぞ」
「翔也っ、 …ありがとう」
木全「いいよー、3限めっちゃだるいね絶対寝るわ」
ひょこっと現れた翔也はいちごオレを私にくれた。そして私の隣に座ってペンケースをリュックから取り出した。
泣いてたこと、気付いてたのに気付かないふりをしてくれる。
高校から一緒の翔也はこういう優しいところがあって、すごく信頼できる。友達として、大好き。
眠気を誘うのが上手な先生の授業はもうすでに始まっていた。
木全「まだスキ？なんて都合よすぎる」
「えっ ？」
木全「あの時起きてた」
「 エッ、え？！？！」
木全「シーッ、怒られるよ笑」
キスしてるの、見られてた？と思うと顔から火が出ちゃうくらい恥ずかしかった。
木全「汐恩、まだAのこと好きなんだよ」
「…だったら浮気しないでしょ、？」
木全「うん、それはそう。でも人間間違えちゃう時もある、と俺は思う」
「うん、 」
木全「でも汐恩はずるいんだよ、自分から言わないでしょ自分の気持ち」
「 うん？」
木全「だからAとやり直す資格なんてない」
ね？と笑ってカフェオレにストローを刺して笑う翔也。
木全「あと、Aのこと泣かせすぎだからもう彼氏になる資格なんてない」
「… 翔也？」
木全「めっちゃ腹立つんだよ、あんな男まだ好きなの、A？」
真っ直ぐに見つめられて、目が離せなかった。
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zunsucha(プロフ) - 木全くんのお話のパスワードお聞きしたいです。 (2022年6月26日 16時) (
レス) id: 705e92619c (このIDを非表示/違反報告)
nanako(プロフ) - とても良かったですTT泣いてしまいました。次のお話も楽しみでたまりません！ (2021年2月4日 8時) (レス) id: 9b745494ad (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：爪先 | 作成日時：2020年12月5日 23時
