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atsuto.U ページ1

「俺、サッカー続けることにした」








そう話す篤人の眼は、私よりずっと広い世界を見ていて、力がこもってて、輝いてた。この人はもっとすごい所に行くんだなって、私なりに感じてた。


あの時の私はまだ幼すぎて、自分の夢に向かう篤人の隣にいるのが恥ずかしくなって。でも私はずるいから、篤人に嫌われないように離れる理由を一生懸命探した。





『篤人、私、大学受かったよ』

「すげぇじゃん、おめでと!なつ、勉強頑張ってたもんな」





ねぇ、その綺麗な目で私を見ないで。
大きくて、暖かい手で頭を撫でないで。
惚れたものの弱み、篤人はいつもそうやって私を甘やかしてくれたよね。その瞳も、手も、声も、全部大好きだよ。





『あのね、私が行くの、地方の大学で、』

「うん」

『篤人の近くにいられなくて、』

「うん、」

『だからね、その、耐えられる自信なくて...』

「ん、」

『あの、だから、、終わりにしよう、?』

「わかった」






大切にしていた時間なんてこんなあっという間に終わっちゃうんだな、なんてどこか冷静に考えてる自分がいることに少し笑えて、泣かずに言えた自分を褒めようとしてたのに。







なんで私は篤人の腕の中にいるんだろう。篤人は私のこと突き飛ばしたいんじゃないの?私は篤人の優しさを利用したんだよ?篤人を傷付けたんだよ?







「なつ、」

『はい、、』

「ありがとう、俺、ほんとに好き」

『っ、、、』

「俺、頑張ってくる」









そうやって笑顔で、左の頬に柔らかな感触を残していくの。やっぱり篤人はずるい。最後までかっこいい篤人しか見せてくれなかった。



















ピコン♪


どのくらい泣いてたんだろう、もうすっかり夕暮れ時。私を現実に連れ戻した、1通のメールの着信音。


























篤人のほうが何枚もうわてだったね、何でもお見通しなんだね。ずっと応援してるから...

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作者名:nattu | 作成日時:2017年12月19日 19時

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