彼女に甘えて何が悪い。

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yukiside_







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Aが泣いているのを見て、少し言いすぎたかと後悔する。


いや後悔なんかするか。







『………………その、私が知らないうちに祐希のこと傷つけてたならごめん。

　私そういうのわかんないから、ほんとに傷つけてたんだと思う、ほんとにごめんなさい。

　………でも、これだけは言わせて。

　私、浮気なんかしてない』


「………は？」


『ほんとにしてない！

　そもそも私男友達なんか数えるくらいしかいないし、その人たちにも彼女さんいる』







意味がわからなかった。


浮気してない？


いやいやいや、それは無いだろ。







「………でも彼女いてもする奴だったらする」


『ほんとにしてないんだって！

　……それに、他の男の人のことなんか考えられない。

　………………祐希が、好きだから』


「………俺が、好き？」







顔を真っ赤に染めてそう言うAは、嘘をつくような感じではなくて。







「…え、だって。

　さっき知らねえ男と仲良さそうに話してたじゃん」









そう言うと、え？という顔をされた。







「だって俺、ほんとにさっき街中で、Aと男が話してるの見た。

　Aが帰ってくるちょっと前」


『帰ってくるちょっと前…？』


「そ…それに、頭も撫でてもらってた」


『………あ！

　それ、私のお兄ちゃん』







思いもよらない言葉に、思わず変な声が出た。







「は？

　お兄ちゃん？」


『うん、４歳年上の私の実のお兄ちゃん。

　さっきたまたま会って、久しぶりって話した』


「………え、えっちょっと待って。

　なにそれ、俺Aにお兄さんいるって聞いてない」


『うそ、私言ったよ。

　付き合い始めて最初の頃』


「え………ごめん、覚えてない」







A曰く、あの街中でAと話してた人は実のお兄さんだった。


結局全部俺の勘違いで、Aを泣かせてしまった。


何回も謝ってたら、逆ギレされた。


でもそういうとこも可愛いって言われた。


………………どっちかっていうとカッコいいの方が嬉しかったとかは言わない。







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((今度お兄ちゃんと会ってみなよ))

(え、無理怖すぎ圧死する)

((大丈夫だって、マサさんみたいな感じだから))

(いや余計無理)

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