新人さんは色彩を失った少女3【カレコレ屋】

七十一話：子供達の話 ページ23

雫視点

？？「私の名前はファミリア。私たちは遠くの街の孤児なんです。」

ヒサ「孤児？」

その言葉に反応を見せるヒサ姉。ファミリアさんがこくりと頷いた。

ファ「異宙関係により、親を失ったいわゆる異宙孤児です。捨てられた村で、親がいない子供たちと一緒に暮らしていました。」

そう付け足し、そのまま続ける。

ファ「最年長だったので私が働いて、皆を食べさせてはいましたが、とてもじゃないけど皆をおなか一杯にすることは出来なかった。」

悲しそうな顔をして、俯く。
そんな思いを振り切るように、それでも、とゆっくりと顔を上げた。

ファ「私たちが盗みや犯罪に手を染めず、貧しいながらも幸せに暮らせたのは、皆がいたから。私たちにとってお互いは家族以上の関係でした。」

強く話す彼女に、なぜだか少し、ほんの少し、私とこの子等は似ている気がした。

私にとって家族以上の仲間が居て、幸せで…わからないけど…それでも……


…あー、やめやめ。

暗くなりかけた思考を遮り、ファミリアさんの話に耳を傾ける。
すると、彼女が目を伏せた。

ファ「けど、あの日いきなり軍人らしき人達が襲ってきて、地域の小さな子供たちを攫っていったんです。逆らったものや、彼らのお眼鏡にかなわない子たちは殺されました。」

感情を殺すように、淡々と話す。

ヒサ「そんな…ひどい…」

シデ「許せないな…」

二人も悲しそうな表情を見せる。
ファミリアさんがそのまま口を動かした。

ファ「だから、私たちは戦う事に決めたんです。」

ヒサ「え？」

ヒサ姉が困惑の声を漏らす。
それも気にせず、今度は私たちを見据え放った。

ファ「家族を取り戻す為に…奴ら…


トッププレデターから。」

「「「「！」」」」

全員が息を飲む。
誰かの椅子がガタッと音を鳴らした。

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