第二期十一話 [戻った腐血] ページ21
雫視点
ヒサ姉はそっとカゲ兄の頭に手を添えた。そして
物理的に頭を冷やした。
カゲ「ぎゃぁっ！？」
シデ「なっ！？」
雫 「…！」
カゲ「な、なにすんだっ！？」
ヒサ「お前、誰だよ？」
カゲ「え？」
ヒサ「カゲチヨはそんな事しない。私の知ってるカゲは…捻くれてて、キモくて、だらしなくて…それでも誰よりも優しい人だよ？」
これだけ、これだけは何とか言いたくて精一杯声をだす。
雫 「カゲ…兄は…子供…嫌いで…も拾ってくれて…その…うえ一…晩中看…ててくれて…それに…学校でだ…って、分からない事…教えて…くれたり私…が一人になら…ないように…一緒に居てくれたり…ヒサ姉が…『ヒビキさん』が言…ったように…誰よりも…優しい人。だから…復讐”だけ”を見て…ちゃ駄目。だからさもっと違う所もみようよ。」
途切れ途切れだがそう言う。余計な部分多いけど…復讐だけ見て生きるのなんて
きっと辛いから。
きっと痛いから。
きっと苦しいから。
カゲ「…」
ヒサ「なに真面目な顔してんの？カゲ。似合ってないよ。」
カゲ「それでも…！！俺は…アイツらの仇をうたなきゃ…」
シデ「それだけなのか？」
カゲ「え…？」
シデ「お前の言う通り俺にはカゲチヨの痛みはわからない」
カゲ「…」
シデ「だが、カレコレ屋を大切に想う気持ちは同じじゃないのか？」
カゲ「…俺は…奴らに復讐したいんだ…」
シデ「それだけか？」
カゲ「それだけじゃねぇ…それだけなはず…あるかよ！！」
カゲ「…ヒサ、さんきゅ頭冷えた。」
ヒサ「うん。」
カゲ「シディ、ごめんヒデー事言って。」
シデ「あぁ。」
カゲ「雫…思い出させてくれてさんきゅな。」
心からの笑顔でゆっくりと頷く。
カゲ「…ア”ーんじゃまちゃっちゃと依頼終わらせっか。」
その顔からは憎悪や殺意など少しはあれど
前とは違う喜びと嬉しさ
それらで満たされており血のように紅い瞳にはハイライトが戻っていた。
シデ「クスッ」
ヒサ「あはははは」
雫 「んふふっ」
カゲ「なっ！？なんで笑うんだよ！！」
ヒサ「いや、間抜けな顔してんなーって思って。」
雫 「いつものカゲ兄だなって。」
シデ「ウム、それでこそカゲチヨだ。」
いつの間にか体力は少し回復し喋ることが出来るようになっていた。
カゲ「はぁ！？なんなんだよテメーら。と、とにかく！！アイツなんとかすんぞ。」
シデ「何か策はあるのか？」
カゲ「あぁ、らしくいこうぜ。」
続く…
第二期十二話 [消えていく戦場]フィーア視点→←第二期十話 [復讐にとらわれる]
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陽炎/蜃気楼(プロフ) - Dolphinさん» ありがとうございます！けど今も続いてますよぉ(*´▽｀*) (2021年1月23日 11時) (
レス) id: 65a99cfd91 (このIDを非表示/違反報告)
Dolphin - 最近読み始めたんですけど面白かったので続編を楽しみにしてます！ (2021年1月23日 10時) (レス) id: 9364273a7c (このIDを非表示/違反報告)
陽炎/蜃気楼(プロフ) - カゲチヨ大好きさん» ありがとうございます！！第三期まで行くとは思ってもいなかったです！！応援していただいて嬉しい限りです！！頑張ります！！ (2020年9月20日 15時) (レス) id: aac3056180 (このIDを非表示/違反報告)
カゲチヨ大好き - すみません。第３期ですね、 (2020年9月20日 11時) (レス) id: f63821bc92 (このIDを非表示/違反報告)
カゲチヨ大好き - 続編おめでとうございます！作者のペースでいいので、第３０期も頑張ってください！ (2020年9月20日 11時) (レス) id: f63821bc92 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：陽炎/蜃気楼 | 作者ホームページ：http://uranai.nosv.org/u.php/hp/1210kagero1/
作成日時：2020年8月8日 21時
