第九話：家 ページ9
雫視点
ﾋｭ、怖かった…
握られた手を片方の手で隠すように包む。
本当にびっくりするから控えてほしい。
今だって、過呼吸になりそうなのをこらえてるくらいだ。
心の傷って嫌なもんだ。体みたいにすぐ治ってくれない。
小さく息を吐く。
『では、私は帰りますね。』
目を細め笑い、そのままそそくさとドアへ向かう。
帰る場所なんてないけど。変に迷惑を掛けるよりはいい。
シデ「ウヌ？ちょっと待ってくれ。」
シディさんに呼び止められ、そちらの方向に振り返る。
何のようだろうか。
シデ「先程の話だと、家はないんじゃないのか？」
シディさんの発言に、確かにと顔を見合わせる一同。
流石に気づかれたか…
『あ！そうでした、あはは、数日前にはあったものですから…私どうしましょう？』
まるで今気づいたみたいな事を言う。
公園でホームレスみたいなのでも大丈夫だったんだけどな。
ご飯無くなったらなくなったでそれで終わりだし。別になぁ…
ヒサ「あ、そしたら私の家、空き部屋が一つあるよ！そこでいいなら雫ちゃん一人くらいは住めると思うんだけど…」
『え？本当ですか！？迷惑じゃなければそうしてもらえると嬉しいのですが…』
口角を上げる。
実際とてもありがたい。だが、それと等しく怖い。
信じてはいるが、信じきれない。
完全に信じられるくらいの信頼はまだないのだ。
ヒサ「全然迷惑じゃないよ！」
明るく言い切る。
よくそう言えるなぁ、と内心感心しつつ口を開く。
『ではありがたく住まわせていただきます。二回目ですが、よろしくお願いします。』
ヒサ「えへへ、よろしくね！」
ぺこりとお辞儀をする。
…ちゃんと笑えているか心配だ。
カゲ「何かあったらちゃんと言えよ。もう仲間なんだから。」
バレていたのだろうか、それともなんとなくだろうか、そう声を掛けられた。
『了解です。』
簡潔に告げる。
まぁ、建前だけですが。
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陽炎/蜃気楼(プロフ) - ゆずまる@低浮上さん» おお！久しぶり！！読んでくれてうれしいよ(*´▽｀*)感想も細かくて本当にモチベ上がる！読んでくれたり反応くれたり諸々ありがとうね！！ (2021年9月12日 11時) (
レス) id: 1167ac42df (このIDを非表示/違反報告)
ゆずまる@低浮上(プロフ) - 久しぶり！やっと読めたぁぁもうめちゃ最高で夢中で読んでた！雫ちゃんもどんどん心開いていってカゲたちもみんな優しいしもう最高！！これから反応とか遅くなっちゃうけど絶対読むからね！！ (2021年9月12日 8時) (レス) id: 8273c2e352 (このIDを非表示/違反報告)
陽炎/蜃気楼(プロフ) - 星猫さん» 復習に関しては賛否両論ありますよね…雫ちゃんはお気に入りのオリキャラちゃんなので嬉しいです！！ありがとうございますm(__)m (2021年9月10日 20時) (レス) id: 1167ac42df (このIDを非表示/違反報告)
星猫 - 雫ちゃん可愛いです！私だったら、復讐しますね。 (2021年9月9日 20時) (レス) id: f84c743866 (このIDを非表示/違反報告)
陽炎/蜃気楼(プロフ) - ゆずまる@低浮上さん» リメイク前より人間不信になってるからね…(僕自身いつ頃になるかわからないというガバっぷり、早く開いてくれぇ…) (2021年7月5日 23時) (レス) id: c9ecb5a106 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：陽炎/蜃気楼 | 作者ホームページ：http://uranai.nosv.org/u.php/hp/1210kagero1/
作成日時：2021年6月7日 23時
