第二十話番外：ホンモノ家族 ページ30
雫視点
あれから数週間。虐待は一切なくなった。
愛情表現もたまに見られた。
しかしながら、ショータ君へ虐待していた罪悪感からなのかどこか接し方がぎこちない。
これでは双方可哀想だ。
全て主観の意見だが。
…仕方ない。
『親と話してみよう。』
迷惑かもしれない。でも、何もしなければ、何もならないから。
家に着き、チャイムを押すと、お馴染みの音がなり響く。
たたた、と足音が聞こえ、ドアが開いた。
母親「はーい、どちらさ…あ、あの時の……も、もう何も…いや、もしかしてまた傷付けてましたか…？」
おどおどとして、腰が低い。
あれだけ強気な姿勢だったのが嘘のようだ。
『いや、今日は少しお話でもどうかな、と。』
そう言うと、「お茶ですか？いいですよ。」と笑顔で出迎えてくれた。
少し待っているとお茶とお菓子が差し出され、向かい合うように座る。
『すみません…突然来たのにこんな…』
母親「いいんですよ。それより、何か話に来たんですよね？」
早速話を提示してくれた。
口を動かす。
『その、なんだかショータ君との接し方がぎこちないなって…』
母親「あ、それは…その……」
『いや、む、無理に言わなくてもいいですからね？』
口ごもる母親にそう付け足す。
理由を聞きだそうという訳ではないのだ。
数秒の沈黙。
『あ、あの、もし、その接しずらいとか、えと、その、そういうのでしたら、か、家族で出掛けるのとかどうでしょう？』
咄嗟に浮かんだ言葉を紡ぐ。無言時間が怖く、焦ってしまったため、至極拙い。
これくらいは許してほしい。
『えと、き、絆を深めるのにもいいかと…』
目が泳ぐ。
ここからどうしようかと思考しようとした瞬間。
母親「なるほど！！」
と、テーブルを叩いた。
びっくりしてしまい、肩が跳ねる。
母親「あ、急に大きな声出してすみません。言ってることどんぴしゃだったので、つい…」
変な事言っていないかと心配だったが、笑っていただけてなによりだ。
よかった、と安堵していると、
母親「そういえば、風の噂で、人が怖いと聞いていたのですが…私は大丈夫なんですか…？」
と聞かれた。
冷静な鼓動。
笑顔を見せる。
『一応そうです。
ただ…
これ以上にない信頼だ。
母親「…あの、よかったらまた今度、お話しませんか？」
『ふふ、いいですよ。』
確かに、そこには温もりがあった。
第二十一話前編：初恋の人に再開するお話→←第二十話後編2：ニセモノ家族
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陽炎/蜃気楼(プロフ) - ゆずまる@低浮上さん» おお！久しぶり！！読んでくれてうれしいよ(*´▽｀*)感想も細かくて本当にモチベ上がる！読んでくれたり反応くれたり諸々ありがとうね！！ (2021年9月12日 11時) (
レス) id: 1167ac42df (このIDを非表示/違反報告)
ゆずまる@低浮上(プロフ) - 久しぶり！やっと読めたぁぁもうめちゃ最高で夢中で読んでた！雫ちゃんもどんどん心開いていってカゲたちもみんな優しいしもう最高！！これから反応とか遅くなっちゃうけど絶対読むからね！！ (2021年9月12日 8時) (レス) id: 8273c2e352 (このIDを非表示/違反報告)
陽炎/蜃気楼(プロフ) - 星猫さん» 復習に関しては賛否両論ありますよね…雫ちゃんはお気に入りのオリキャラちゃんなので嬉しいです！！ありがとうございますm(__)m (2021年9月10日 20時) (レス) id: 1167ac42df (このIDを非表示/違反報告)
星猫 - 雫ちゃん可愛いです！私だったら、復讐しますね。 (2021年9月9日 20時) (レス) id: f84c743866 (このIDを非表示/違反報告)
陽炎/蜃気楼(プロフ) - ゆずまる@低浮上さん» リメイク前より人間不信になってるからね…(僕自身いつ頃になるかわからないというガバっぷり、早く開いてくれぇ…) (2021年7月5日 23時) (レス) id: c9ecb5a106 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：陽炎/蜃気楼 | 作者ホームページ：http://uranai.nosv.org/u.php/hp/1210kagero1/
作成日時：2021年6月7日 23時
