第十三話：敬称と敬語 ページ13
雫視点
ヒサ「あのさ、雫ちゃん。」
『…？なんでしょうか？』
朝ご飯を食べ始め数分、話題がなくほとんど無音と言ってよい状況を壊すようにヒサメさんが口を開いた。
ヒサ「雫ちゃんって、皆に敬語だし敬称じゃない？」
『まぁ、年上ですし。』
唐突な質問に平然と答える。
誰かに対して敬語じゃないなんて、違和感がすごすぎる。
第一、タメなんて全然使ったことがない。
どのようなものかはわかるのだが…
数年間、親しいと呼べる人は作らなかったから。
ヒサ「それでさ、もう仲間なんだし敬語も敬称も外してほしいなって！」
『うぇっ！？そ、そんな、滅相もない…』
柄にもなくそこそこ大きな声を出してしまう。
うぅ…こんなキャラじゃないのに…
ヒサ「ね？お願い？」
じー、と期待が込められた瞳で見つめられる。
仕方ないですね…
『…えっと、では…あ、じゃあこんな感じ？』
ヒサ「そうそう！」
ちょっと言いづらい…使い慣れてないからだろう。
難しいな。
『敬称は…。ひ、ヒサ姉とかいい感じでは？』
ヒサ「…すっごくいいじゃん！一回お姉ちゃんって言われてみたかったんだー！！」
パッと思いついた呼び方にしてみたが、気に入っていただけているようだ。
喜んでいるならなにより。
…カゲチヨさんや、シディさんとも仲良くなれたら○○
仲良くなれるのなら、だけれど。
出来れば、建前じゃなく、本当に仲間になれるなら。
少しは色があるものになるのだろうか。
『じゃあヒサ姉として。改めまして、何度目かのよろしくです。』
ヒサ「うん、よろしく！」
少し敬語が混じる会話。
その違和感が拭えるくらい、あたたかなモノを少女は掴めるのだろうか。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 39人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
陽炎/蜃気楼(プロフ) - ゆずまる@低浮上さん» おお！久しぶり！！読んでくれてうれしいよ(*´▽｀*)感想も細かくて本当にモチベ上がる！読んでくれたり反応くれたり諸々ありがとうね！！ (2021年9月12日 11時) (
レス) id: 1167ac42df (このIDを非表示/違反報告)
ゆずまる@低浮上(プロフ) - 久しぶり！やっと読めたぁぁもうめちゃ最高で夢中で読んでた！雫ちゃんもどんどん心開いていってカゲたちもみんな優しいしもう最高！！これから反応とか遅くなっちゃうけど絶対読むからね！！ (2021年9月12日 8時) (レス) id: 8273c2e352 (このIDを非表示/違反報告)
陽炎/蜃気楼(プロフ) - 星猫さん» 復習に関しては賛否両論ありますよね…雫ちゃんはお気に入りのオリキャラちゃんなので嬉しいです！！ありがとうございますm(__)m (2021年9月10日 20時) (レス) id: 1167ac42df (このIDを非表示/違反報告)
星猫 - 雫ちゃん可愛いです！私だったら、復讐しますね。 (2021年9月9日 20時) (レス) id: f84c743866 (このIDを非表示/違反報告)
陽炎/蜃気楼(プロフ) - ゆずまる@低浮上さん» リメイク前より人間不信になってるからね…(僕自身いつ頃になるかわからないというガバっぷり、早く開いてくれぇ…) (2021年7月5日 23時) (レス) id: c9ecb5a106 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：陽炎/蜃気楼 | 作者ホームページ：http://uranai.nosv.org/u.php/hp/1210kagero1/
作成日時：2021年6月7日 23時
