第三十八話 [瓶覗色と帰還] ページ41
＿外＿(ヒサメ視点)
スズキ君やサトウ君に呼ばれ、急いで研究所に駆け付けたのは数分前。
外の見張りを捕まえたのはついさっき。
それで、今は誰が中に入るのか話し合っているところだ。
見張りは一人。バレないように入るための服も一つ。
つまり一人しか入れない。
その事を重々承知のカゲが真っ先に行くことを申し出た。
死ぬ可能性も低い、ある程度は太刀打ちできる、と。
有無を言わさないカゲに気圧され、全員が了承した。
そしてそれから十数分。
雫ちゃんを抱いたタカハシ君と、職員の服を着たカゲが出てきた。
異様に赤い雫ちゃんの服に嫌な予感を覚えつつ質問する。
ヒサ「し、雫ちゃん大丈夫なの？」
鉄が錆びたような、俗にいう血の臭いがする。
シディもそれが分かるのだろう。顔をしかめている。
カゲと同じ混血だから、よっぽど強い人じゃない限り死んでるということはないだろう。ただ、雨女の能力もあるから少々不安だ。
タカ「能力の酷使で結構弱ってるけど大丈夫だ。」
カゲ「しっかり確認したから安心してくれ。」
四人、安堵の息を漏らす。
もしかして、と思ったが二人がそういうなら大丈夫だろう。
ただ、能力の酷使は身を削る行為と同じだ。起きたらきつく叱らないと。
こういうとこカゲと似てるから本当に心配だ。
その時、小さな声が聞こえた。
雫 「……んぁ？」
雫ちゃんが零したらしい。目もぱっちりと開けている。
それを聞き逃さない一同。
皆色々言いたいことがあったのだろう。
一人で突っ込むなだとか、心配させんなとか、生きて帰ってきてよかったとか、本当に色々話しかけていた。
困惑しながら、楽しそうに笑っていた。
そして嬉しい報告。
記憶が戻ったと。
これには泣いて喜んだ。泣いてたの私だけっぽかったけど他のみんなも本当に喜んでた。
雫 「そうだ、ヒサ姉服汚しちゃってごめんなさい。」
ヒサ「全然大丈夫だって！生きててよかったよもう！」
本当に申し訳なさそうに言う雫ちゃんに飛びつく。
しっかり頼って欲しいものだ。まったく。
ただ、現実はそううまくいかない。
その事だけ覚えててほしい
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陽炎/蜃気楼(プロフ) - ゆずまるさん» 案外予定通りに進んでてこっちも記憶戻って安心してる(結構延びちゃったりするから)あ、全然大丈夫だよ！ゆずまるが好きな時に来ていいからね (2021年5月6日 0時) (
レス) id: c9ecb5a106 (このIDを非表示/違反報告)
ゆずまる(プロフ) - 雫ちゃん記憶戻って良かったぁしばらく来れなくてごめんね (2021年5月5日 20時) (レス) id: f63821bc92 (このIDを非表示/違反報告)
陽炎/蜃気楼(プロフ) - 星猫さん» 僕は迷惑かけられた人の中でもかなり軽い方だったと思うので大丈夫です。それよりは他の方に誠意を見せてあげてください。 (2021年4月17日 10時) (レス) id: 65a99cfd91 (このIDを非表示/違反報告)
星猫 - 私の自業自得で貴方にも迷惑させて、誠に申し訳ありません。 (2021年4月17日 9時) (レス) id: e8084d140d (このIDを非表示/違反報告)
陽炎/蜃気楼(プロフ) - 星猫さん» ちらっと星猫さんの事調べさせていただきました。かなり荒れてますね…もうこんなことは繰り返さないよう、気を付けましょうね。きちんと反省！これ大事ね (2021年4月17日 0時) (レス) id: 65a99cfd91 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：陽炎/蜃気楼 | 作者ホームページ：http://uranai.nosv.org/u.php/hp/1210kagero1/
作成日時：2020年12月28日 18時
