第三期 新入部員はおｎ…え？何？…えぇぇ！？男の子ぉぉぉ！？

第三期八話　《零の家》 ページ18

キリン視点

記憶をたどりながら道を歩く。

確か…ここら辺の…

キリ「お！着いた！」

表札には満月と書いてあり、家の外装も記憶と合致していた。

タブ「ギャパパ…ここが満月の家か…」

ハク「あ、タブーさんは初めてでしたっすね。」

キリンは勿論、ハックは高校からの付き合いなので一度行った事があった。
ただ、一回しかないのは不審な点であるが。

一方タブーは行く用事がそもそもないので行った事は０だ。
まぁ、嫌われているなんて万一にも無いが。

ドア横のチャイムを鳴らす。

ピンポーンとお決まりの音が鳴り、数十秒たつとドアが開き、零が＿＿＿

？？「どちら様でしょうか。」

と言うわけでもなく、母親とおぼしき女性が出て来た。

そういえば実家暮らしだったな、と思いつつ口を開く。

キリ「俺達、彼のサークル仲間なんだ。」

紡ぐようにハック。

ハク「零の…いえ、息子さんが大学に来ていなかったっすから…もしかしたら風邪かと思ってお見舞いに来たんすよ。」

その言葉に首を傾げる女性。

女性「うちに‶息子‶は居ませんよ？‶娘‶ならいますが…」

一見普通の笑みを零すが、どうも俺には狂気的な笑みにしか見えなかった。

タブ「ギャパパ…でもよ、此処以外、近くに‶満月‶の苗字はねぇぞ？」

女性「人違いでは？」

ここのはずなんだけどな…なにか…零に関する事…

そう言えば、零の家に入った時、こいつ零のこと『姫様』って呼んでなかったか？
男に付けるような名前じゃない。女だってこんな名前いいって言う奴そうそういないだろう。

それなら…

キリ「すみません。じゃあ姫様(プリンセス)は娘さんですよね？こういう…」

とスマホから零が写ってる写真を探し母親に見せる。

母親「確かに私の娘ですが…昨日から丁度行方が分からなくって…警察の方にもお願いしたのですが、成人してますので…」

キリ「ありがとうございます。俺達も探してみます。それでは。」

バタンとドアが閉まる。

この状況を全く理解してない二人に言った。

キリ「この前チラッと聞いたんだ。零の本名、"姫様"。アイツは多分糞親だ。零の性や意思を否定してるんだろ。」

その言葉でようやく理解したのかハックが口を開いた。

ハク「じゃ、じゃあ零は何処いったんすか！？」

キリ「分からない、だから…今から探すぞ！！」

その一言で零捜索大作戦が開かれた。

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