先輩想い (ページ7)

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(龍友目線)

涼太「腕……怪我してたんだ」

「ちょっと野球しててやった。」

涼太「痛いなら先生に断ればよかったのに」

「いや、頼まれたことは断れない主義やねん」

涼太「なにそれかっこいいわ笑笑」

「そんなに痛くないから大丈夫や」

これ嘘。

ほんとはだいぶやばいレベルで痛い

そっと痛めてる部分を見たら赤く腫れ上がっている

悪化した…。

いやでもあそこでさあやちゃんに持たせる訳にはあかんやろ

男として情けないわ

涼太「それにしてもさあやちゃんすごいね、ずっと一緒にいる俺でも気づかなかったのに」

「自分でも完璧に隠してるつもりやった」

涼太「さあやちゃん……可愛いよね、」

「は？なんて？」

涼太が急に意外なこと言い出すから

思わず聞き返した

涼太はモテる……けど

滅多に人を可愛いなんて言わないのに

涼太「だーかーらー、さあやちゃん可愛いよねって」

まぁ……わからない気もしない……けど

長い髪は綺麗にポニーテールに結んであって…

長いまつ毛

大きな瞳

ピンク色の頬

細い手足

って僕何考えてるん

涼太「3年の先輩もさあやちゃんがかわいいって噂してたよ」

「へー、」

涼太「何、興味ない感じ？」

「別に。」

涼太「龍友くんってなんか美人な子好きなのに恋愛は慎重派だよね…意外と」

「それは僕の勝手やろ」

涼太「はいはい……今もあの子なわけ？」

「当たり前やろ、むしろあいつしか考えられへんわ…」

涼太「幼なじみとの恋なんてほんとにあるもんなのか」

感心したように

にやにやしてこっちを見る涼太

「僕の片想いやからそんなに妄想広げんといてや」

慌てて涼太の腹を軽く殴る

涼太「いたっ、ちょっと何す…」

涼太「さあやちゃん？」

涼太の視線の先には柱からひょっと顔を出す

さあやちゃん

「何しとん、」

『今からなんかあるんですか、？』

さあやちゃんが僕を見上げる

「いや……帰るだ」

答えようとしたら急に手を掴まれる

ｶﾞｼｯ

「っえ、？」

『まだ……帰しません。』