episode.65 ページ18
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「お先お借りしましたー」
そう言って上がってきたAさん。
タオルドライこそしてあるもののまだ濡れてる髪に
少し火照った頬、シャンプーやボディーソープの香りが鼻をくすぐる。
ありきたりな表現に、ありきたりな感想。
それでもそれでいい。
そこがいい。
好きな女のそんな姿に全身が火照る俺はまだガキなのかも。
「気持ちかったです！いや、ほんと、お世話になります」
「いやいや」
「エレナもうすぐ出てくるんで」
それからすぐ言っていた通りエレナさんはすぐに出てきて
全員が順番に風呂に入った。
俺はというと、これから何日間かあの人と一緒に過ごすのかと
色んな意味で頭を抱えていた。
「あ、登坂さん！」
ベッドの用意をして、全員がきちんと布団に入ってから水を飲もうときっちに向かったら
後ろからまだまだ元気な彼女の声。
「眠くないんですか」
「ははは、超眠いです！」
「水分？」
「うん！お水がいいな！」
そう言って着いてくる。
あれ、このまま、敬語も完全になくして名前呼びとかできちゃったりして…。
いや、それはまだ早いか。
悶々と１人悩みながら水を入れる。
はいと渡せばお礼を言われて、頬笑まれた。
だから、そういうの。
「ねぇ、登坂さん」
「ん？」
「私、結構登坂さんタイプだよ！とか、行ってみたりして」
彼女なりのアピールだったんだろうけど
思ったより凄いことを言ってしまった自覚が湧いてきたのかどんどん赤くなってく。
「あ、いあ、なんか、だ、だめだ、寝よう」
水に口もつけずに出ていこうとする腕を掴む。
「A」
俺の声に、ピクリと肩を揺らした。
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作者名：layla | 作成日時：2020年4月19日 21時
