My Dad!

dad.16 ページ16

･Hiroomi Tosaka･




仕事、仕事、仕事。


もう、大変。


家族家族だと仕事がおろそかになるって言われるし

仕事仕事は…Aが心配で仕方ない。


喘息持ちでも片頭痛とかも無いんだけど

昔から少し免疫が弱いらしく菌が入りやすい。


…季節の変わり目は終わったけど、この温度差。



｢うわ、嫌な予感する。｣


｢何臣。怖い怖い。Aちゃん？｣


｢ん。早く帰りたい。｣



隆二とﾎﾞｿﾎﾞｿ喋りながら撮影中。


ただいまPM11時。

この撮影が終われば帰れる。


そっから9時まで自由。


やっと終わった撮影。

誘われた飲み会に断る俺。


急いで家まで送ってもらって中に入る。


真っ暗なリビング。

この時間だし、寝てる可能性は大きい。


ダイニングには俺と桔梗の書き置きがそのまんま。

キッチンの食洗機の中身は空っぽ。


うわ、嫌な予感増幅。


急いでAの部屋に向かう。


一応ノックして部屋に入れば、豆電球でうっすら光りｺﾞﾁｬｯとしてる中。


布団の中の膨らみに近付いて顔を覗き込む。



｢A？…起きれる？｣



ｿｯとおでこに触れると、熱いのが分かる。


肩を優しく叩いてAを起こす。


うっすら目を開けたAは汗ばんでて小さく“パパ？”と呟いた。



｢おかえり。｣


｢ただいま。起きれる？｣

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