My Dad!

dad.14 ページ14

･You･



なんとかレッラゴーしてショッピングモールへ。


カメラが回ってると、気は遣うけどお客さんを遠巻きにできて少し楽かな。


パパやママのファンの人は凄く好きだし

嬉しくなるけど、珍しいお買い物に割り込まれると少しジェラシー。


それも、我慢しないといけないことなんだろうな。

それだけパパとママがすごいんだから。



｢Aこれ可愛いよ。｣


｢いや、私ピアス穴空いてない。｣


｢そうだよ広臣。Aこれは？｣


｢いや、私キャップ山ほどあるんだけど。｣



多分少し呆れて笑ってたと思う。


しかも、その後に続いた2人の言葉は

“開けちゃいなよ”と“捨てちゃいなよ”


なんとも軽い。



｢考えとく。それよりパーカー欲しい。｣



そう言ってパーカーのあるほうを指させば

分かったと返事をしてパーカーの方へ向かう2人。


パパとママの買い物はしなくていいの？不思議。


そう思いながらも、

2人が私のためだけに一生懸命な姿を見て喜んでる。


うわ、私趣味悪。

だけど、いい。


家族としての顔をいつでも見れるのは私なんだから。


いつも一緒にいられない分、それくらいいいよね？



｢待って待って！私も見せて！｣



走って2人を追いかければすでに何着かパーカーを手にしてる様子。


服を合わせて小さなファッションショー。


楽しい。


友達といる時よりも、家族といる時の方が楽しい。


この歳でそんなこと言う人、少ないかもしれないけど。


これは、私達の家族の在り方だからそれでいい。


結局、何着かかってもらって

パパもママもほとんど何も買わないままその日のお仕事は終わった。

dad.15→←dad.13

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す